【WT→MHA】菊地原成代主と弾バカがヒーローを目指すNO.4 (ページ38)

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蚊帳の外？仮免試験編1 ページ38

寮生活にも慣れ、本来森林学校での目的であった個性伸ばしと必殺技の習得の訓練が本格的に始まった。

始まった、の、だが…。

「俺らもう、名前もついてる技もあるし…」

「……ヒーローコスチュームも、改善点とか、無いし…」

そう、出水も、ぼくも、やることが、ない。
攻撃力は有り余っているのだ。これ以上伸ばしたところで実戦では使えない。むしろ人が死ぬ。
かといって、生身を鍛えるにしてももう散々鍛えた。
あとは維持するだけ…僕の場合スピード重視だから下手な筋肉を付けて体重を重くするわけにもいかない。

「……2人とも悩んでいるようだな」

相澤先生に声をかけられる。

「まぁ……正直…」

「もうひたすら2人で生身の試合したんですけど…」

「ただひたすら俺が士郎の指導受けるって感じで…」

脱力しきった様子の俺たちに相澤先生は追い討ちをかけてきた。

「今のうちに伝えておこうと思ったんだが…仮免取得試験、クラスメイトは助けるな」

「「え」」

「あいつらの実力を見るためだ…お前達はお前達2人だけで協力なり競うなりしろ
良いな？」

「「またこのパターンですか」」

まぁしかし、今の発言からなんとなく試験内容、想像できちゃうなぁ…。

女子組が疲れた様子で共有スペースに居た。

「おつかれ…クッキー焼いたんだけど、良かったらみんな食べる？」

「士郎さんの手作りですか…？！」

嬉しそうに食べたいと言ってくれる百にホッとした。

「わー！すごい量だね！」

「うん、余った分は全部ぼくが食べるから」

「さすが！！」

もうぼくの大食いに驚く子はこの中に居ない。

「そちらのトートバッグは…？」

「あぁ、これは今から公平に持っていこうと…」

ぼくがそう言った瞬間、芦戸がぐるりとこちらを向いた。
え、怖い。

「前から気になってたんだけど、士郎ちゃんと出水って付き合ってるの？！」

「？幼馴染だよ」

「えー！じゃあ好きじゃないの？！」

「うん…？嫌いではないけど…」

なんだ、この話の流れは…嫌な予感…。

「じゃあ好きなの？！恋バナしよう！そうしよう？！」

「なんで？！」

ぼくは思わず声を張ってしまう。
というか恋バナとか…ぼくにはレベルが高過ぎる…忘れているけど精神年齢考えたら枯れてても仕方ないと思う。

「芦戸さん！士郎さんを困らせないでください」

「わーん！だって恋バナしたいじゃんー！」

百の助けを得てぼくはその場から逃げだした…ありがとう百…。