【WT→MHA】菊地原成代主と弾バカがヒーローを目指すNO.4 (ページ25)

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(ベストジーニスト視点)

警察と雄英の生徒の機転により、ヴィランの隠れ家が発見された。

雄英高校の記者会見中、同時に一斉攻勢…。

私たちの目的はヴィランの確保と、連れ攫われたヒーロー1人と生徒2人の救出。
事前に渡されたら写真と、情報を思い出す。
爆豪は、恐らく今頃敵を挑発したり暴れているだろう。職場体験で彼の性格はよく分かった。

もう1人の生徒、菊地原士郎…他の生徒を助けるため、捕まったらしい。
その生徒の証言で、何か薬のようなものを注射されていると言われていた。

雄英側は個性が強力すぎるため、抑えるためだと予測しているらしい。…つまり、それほど強力な個性を抑えるために、強力な薬を定期的に注射されている可能性があるということだ…。

早く救出しなければ。

作戦開始の合図がされた。

「能無格納庫制圧」

私は早々に、敵の作り出した改造人間、能無が格納されていた施設の制圧に成功した。
連れ攫われたヒーローの方は見つかったようだ。

「ベストジーニスト！こっちの部屋に女の子が！」

Mt.レディの声に反応し、差し出された子供を受け取る。
服は、恐らく雄英の体操着…だったもの。
血と焼け跡、裂けた傷口。
…つい最近できた新しい怪我の様なものある。

そして、片腕には大量の注射痕…薬漬けにされていたことは明らかだ。

薬の効果が薄まるたび抵抗しては、暴力で抑えられ注射を打たれるの繰り返しだったのだろう…残酷な行為に怒りを覚える。
そして、彼女は強い。
そんな中、決して諦めず抵抗し続けたのだ。

「…っ……、……ぅ」

腕の中の少女の閉じられた瞼が震え、口から呻き声が上がる。

「…！聞こえるか、もう大丈夫だ、助けに来た」

「……、かざま、さん…？」

意識が朦朧としているのだろう、私のことを誰かと勘違いしている。
震える手が、私の服を弱々しく掴んだ。

「うた、がわ、は……ぶじ、です、か……」

「あぁ、心配いらない」

こんな状態になってまで、誰か別の相手を心配する少女に胸を痛めつつ、話を合わせる。

「よか……た……、…、！……か、ざまさ……逃げ、て……っ」

少女が、枯れた喉で叫ぶ。

部屋の奥から、恐ろしい気配。

私は咄嗟に、その場にいるヒーロー達を逃がすために個性を使おうとした時だった。

腕の中に居た少女の姿が変わる。怪我は消え、青と黒のスーツ。
雄英側から知らされていた、彼女の、個性。

目の前に、半透明な壁。

吹き飛ぶ施設。…負傷者は、無し。