【WT→MHA】菊地原成代主と弾バカがヒーローを目指すNO.4 (ページ24)

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神野区編(と短い記憶喪失)1 ページ24

(爆豪勝己視点)

ワケの分からないまま攫われ、恐らく敵のアジトと思われる場所に連れられた。
厳重に拘束され、それも敵に囲まれた状況に迂闊な行動が取れない。

何より、俺と一緒に連れてこられた大食い女が微動だにせず地面に倒れている姿に焦る。
一体何をされたのか。

入学初日から、格上だと見せつけられ、眼中にも無いと言った風だったムカつく女。
いつもだだ被りの個性のくっつき虫と一緒にクラス連中に囲まれて、餌付けされてる様な奴。

直接話した事はねェ。
俺も、こいつも、自分から他人に話しかけたりしないかいからだ。
…そう、一学期が終わるというのに、俺はこいつがただ強い奴という事しかしらない。

だがいつか、こいつも抜いて一番になってやる。そう思ってた。

しかし、今のこいつはまるで死人だ。

「あー、最後の最後で焦った……」

ヨロヨロのツギハギ男が大食い女を引きづり、手だらけの敵の前に連れてく。

服は焦げ跡と血の染みで元の色が分からない。ところどころ見える肌は火傷や切り傷が見える。

「…オイ、ちゃんと生きてるんだろうな？勧誘の話の前に死なれたら困る」

「生きてるだろ…おまえから預かった薬、打った後も個性使わず抵抗してきやがったぞ…脳無使ってやっと捕まえれた」

敵の会話に歯をくいしばる。

「そうか…」

すると、手だらけの男は注射器を取り出し、大食い女に刺した。

地面に無造作に垂れていた腕が、ピクリと動く。

「菊地原士郎、聞こえるか？
手荒な真似して連れてきて悪かったよ
でもこうでもしないと、話を聞いてくれないだろう？」

「……、…ころ、…す…」

「…第一声がそれって……やっぱりお前、ヒーローよりヴィラン向きだぜ？
俺たちの仲間になれよ

殺すのに抵抗無いくちだろ？」

手だらけの男が楽しそうに続ける。

「……人型、ネイバー…、か……」

「は？」

「ぼく、の……仲間、は……風間、隊だけ、だ……」

大食い女は回らない舌で否定する。

「カザマタイ……？……」

「ぼく、に……人質の、価値なんて……ない」

「……！！オイ黒霧！追加の薬寄越せ」

大食い女は更に注射を打たれた。

「こいつ…舌噛み切ろうとしやがった…

ははっ、でもやっぱり、俺の目に狂いはなかった…絶対仲間にしてやる」

手だらけ男が動かない大食い女の頬を撫でる。

「黒霧、格納庫の方に入れておけ
あそこなら薬の予備が沢山ある」

「分かりました」

その後、俺も抵抗できないよう意識を奪われた。