【WT→MHA】菊地原成代主と弾バカがヒーローを目指すNO.4 (ページ13)

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(出水公平視点)

その後物間は大人しくB組のバスに乗って行き、俺たちも自分達のバスに乗りこんだ。

俺は隣に座る士郎を見る。
変わらず無表情。しかし、あの死柄木と緑谷が接触した日から、如月会長からもらったヘッドホンは首にかけたままだ…使用する気にはなれないが、人の好意を無下にできないのだろう。

あぁ、本当に…余計な事をしてくれる。

そんな事を考えていると、バスが止まった。生徒達が降りる中、俺も降りようとするが士郎に裾を掴まれた。

「降りるな、だってさ」

バスはクラスメイト達を置いて目的地に向かう。

「お前達が居たんじゃあいつらの試練にならんからな」

クラスメイト達は、妨害されまくりの山登りらしい。

「なんか…毎回俺たちばっか特別扱いさせてしまってすんません」

「…因みにお前ら、あそこまでどれぐらいかかる？」

相澤先生が山の上の施設を指差した。

「一人で行っていいなら、俺は目視できるんで一瞬でテレポートできますね」

「…ぼくは…4分弱…？」

俺たちの言葉に相澤先生は黙ってしまった。……その化け物を見る目やめてやってください。

クラスメイト達より遥かに早く合宿場に着いた俺たちは、何をするか相談していた。

「正直、担任として情けない話だがお前達の個性の伸ばし方が想像できん」

相澤先生の言葉に、俺たちは目を合わせる。

「あー、たぶん、他の生徒と変わらないと思います、食って、ひたすらエネルギー放出！毎日続けてますが微妙に上限？伸び続けてるんで」

「…でも、もう年齢と肉体的にこれ以上容量増やせないのも現状ですね…来年に期待…って具合で

…あと、出水に内緒で、実験してた事があったんですけど…」

菊地原の言葉に驚く。え、俺に内緒って…結構寂しいぞ。

「生身でも、武器出せないかなと」

士郎がそう言った瞬間、手元にスコーピオンが現れる。

「個性使うためのエネルギーを、限界まで枯渇させて、感覚掴んだまでは、良かったんですけど…これ、ただの徒労に終わりました」

「徒労…？」

「燃費悪過ぎるんです」

そう言った士郎の口端から血が流れ…は？！

「ななな何してんのお前ー？！」

「菊地原…ッ？！」

「エネルギーの節約になるかなと思ったら逆で、身体的負担が大きくて…あ、これはちょっと喉の毛細血管切れた程度なんで大丈夫です」

淡々とゲフッと言いながら血を拭う士郎に、俺と相澤先生は深い溜息を吐いた。

……ほんと、心臓に悪い。