【WT→MHA】菊地原成代主と弾バカがヒーローを目指すNO.4 (ページ1)

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(上鳴電気視点)

菊地原があまりにも健気で、しかも純情過ぎた。

「でも、ぼく……ファンって、何をしたらファンなのか分からなくて……
調べてみたら、好きなヒーローを知らない人にふ、布教？するって…ネットに…書いてたから…
将来、もし、好きなヒーローの話題になって、『クリエティ』のこと知らない人が居たら渡せる様に…DVDに……」

ボソボソ話し続ける菊地原に、クラスメイトは釘付けだ。

八百万なんか、感激から震えて同じく涙目になっている。

「そ、そんな、士郎さんが、わたくしのファン一号…そこまで、してくださるなんて…っ」

「…き、気持ち悪くないの？ぼく、やっぱり、人との距離感、まだよくわからなくて…友達だけど、ファンって、どうしたらいいか…」

「嬉しさしかありませんわ…っ！！
…でも、わたくしは、士郎さんにそこまで思っていただける様なヒーローでは…」

その言葉を遮る様に、八百万の両手を、菊地原が勢い良く握る。
今まで壁になっていた出水はごく自然な動作で横にはけていた。

…何お前…菊地原の行動予測できる個性でも持ってんの……？

「そんっ、な、ことない…っ！
……っ、入学初日、百がヘアゴムくれた日から、ずっと、百の、直向きなところとか、感謝を忘れないところとか、親身になってくれるところとか…

ぼくも、ヒーローになりたいって、百を見てて、本気で考えられる様になって…

だから、百は、ずっと一番眩しくて、ぼくの、ヒーローだから……！」

「士郎さん…っ！」

2人とも涙目で、顔を真っ赤にして見つめ合う。何この盛大な愛の告白聞いた感覚。
顔がめちゃくちゃ熱い。
クラスの面々も、赤面したり、興奮したり…飯田なんて号泣してる。
…あ、横の切島も男泣きしてた。

「わたくし、最近思うように成果が出せなくて卑屈になっていました…
でも…ファンの期待を裏切るなんてヒーローではありませんわ！わたくし、ここからまた、頑張ってみせます！

だから…見ていてくださいね、士郎さん！」

「…うん、『クリエティ』、ちゃんと見てるよ」

菊地原がへにゃりと笑う。

おおおおおおおい本当に今日の菊地原はどうしちまったんだよー！！

感極まった八百万が菊地原に抱きつく。
身長の高い八百万と、身長の低い菊地原…。

「ハァ…ハァ…ヤオヨロッパイに包まれる菊地原……アリだ……！」

おい峰田オメー色々と台無しだよ。

そんな峰田は、出水に廊下へ蹴り飛ばされていた。
…出水容赦ねェ……。