【最.俺】狂気の王国成長記録【ガレキ牛、ア.ブ】 (ページ7)

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案外冷たい話ですが、ページ7

(フジ視点)

「オラ死ねぇ！骸骨野郎！！」

「…キヨ、うるさい」

ある程度森を進めば、いつも通りモンスター達が襲いかかってくる。
それをキヨとカノコが新しい武器で次々と倒して行く様子を見つつ、俺は弓を構えた。

「ナイスショット！」

俺の放った矢が少し遠くで同じ様に弓を構えていたスケルトンに命中すれば、カノコが他の敵の相手をしながら褒めてくれる。

それが嬉しくて思わずにやけそうになるのを抑え、次の矢を引く。

モンスターとの戦闘は最初は恐ろしかったし命がけで…怪我も沢山したが、今の俺たちの敵ではない。

それにしても…と、近接戦の二人を横目で見る。
キヨもカノコも、初めての武器とは思えない手際の良さだ。

その為にずっと殺傷能力のない剣やナイフの模型で手合わせしていたのだから当然かもしれないが…普通、俺たちの年齢でここまで戦える人間なんてまずいないだろう。

子供三人だけでよくここまで鍛えられたなと自分でも思う。

三人で強くなろうと決めてから、何年経つのだろう…あの頃はまだ舌ったらずで、走ったら転ぶ様な年齢だった気がする。

強くなる為に色んなことをした。

その際、俺を育ててくれている叔父が、この村での所謂交易関係の責任者であった事に大きく助けられた。

交易で行き来した物品の中からガラクタが出る。それらは叔父の家の倉庫にしばらく保管され、処分される。
それを譲ってもらえる様説得したのだ。

中から、戦闘や世間の情勢などに関する書物や、武器や装備に使えそうな皮や金属片などを回収した。
今回の武器も、そうして入手したのだ。
勿論、こんな危険な事を子供だけでしているなんてことは秘密で、俺は別のものと偽って持ち出したわけだが…。

叔父は俺に甘い。
どうも、ゾンビである事で虐められている俺に同情している様で、大抵のお願いは聞いてくれる。

そこで更に、近くで行われる紛争を見学に行くことも実行した。
叔父に『後処理』の仕事を斡旋してもらったのだ。

…死体や残された武器の回収や撤去作業。
子供の俺たちにもできる仕事はそれぐらいだった。
叔父には日程をずらして伝え、紛争を見学して、その後に仕事をこなす。

初めて人が殺し殺される光景を見たし、悍ましい死体を沢山運んだ。
その日は何も食べられなかったし、三人で身を寄せ合って寝た。