【最.俺】狂気の王国成長記録【ガレキ牛、ア.ブ】 (ページ18)

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アクシデント？ページ18

(カノコ視点)

「そうそう、それで最近、また戦争が起こるんじゃないかってピリピリして…やぁね
食事中にする話じゃ無かったわ」

「いえ、情勢が知れて助かります
なにぶん、田舎にはそう行った話はなかなか伝わってきませんから…」

あれからすっかり話し込んでしまっていた。
女性は情報通で、貴族や有力者のスキャンダルといった如何にもなものから、最近の周辺諸国の情勢まで、色んな話を聞かせてくれた。

中でも気になったのは、最近連続殺人が起きているらしい。
確か街中で見た指名手配の張り紙の中にもあったが、目撃者もなく、人相書きすらない状態だった。

年齢も性別も関係なく狙われているらしく、女性は私の身を心配して夜出歩かない様にと釘を刺してくれた。
初めて来店した客に対し、親切な人だと感謝する。

「それであの路地ではねーーー」

女性の話が噂話からいよいよ怪談じみた不確かな話になってきた時。

ーーーガシャン！！！

路地裏の方から大きな物音がした。

「あらやだわ、何かモノでも倒れたのかしら？
最近野良猫も多くなってきたのよね…」

「そうなんですか…あ、お姉さん、そろそろお会計を」

「まぁお姉さんだなんて！うふふ、ごめんなさいね、カノコちゃんが聞き上手なまのだからつい話し込んじゃったわ」

「いえ、私も楽しかったです
素敵な時間をありがとうございました」

また来ますと頭を下げ店を出る。
そのまま大通りの方に向かう…と、見せかけて、物音がした路地裏の方へ回り込んだ。

猫なものを倒す程度の音では無かった。
考えすぎならいいが、もし何かあれば、近くにあんな親切な女性が住んでいるのだ。
放って置けない。

服の下に隠したナイフの感触を確かめつつ、息を潜め、覗く。

すると、そこにはーーー

白衣の男が倒れていた。

白衣？医者か？でも、よく見ると私達よりは年上だろうが、そう遠くない年連に思う。
警戒して近づくと、少し鼻を刺激する鉄くさい匂い。

先程女性から聞いた連続殺人鬼の言葉が頭を過る。

思わず駆け寄ってしまった。

「大丈夫ですか？！」

よく見れば顔色は悪く、腕を深く切られている。
しかし意識はある様で、男は呻き声をあげると何かを要求する様に怪我をしていない方の手を宙で彷徨わせた。

「ゔぅ…ぁ…み、……ぅ…」

「み？何です？」

男の腕の止血をしつつ聞き返す。

「水…ちょうだい…干からびて、死にそう」

…怪我が原因ではなく脱水症状だった様だ。