【最.俺】狂気の王国成長記録【ガレキ牛、ア.ブ】 (ページ15)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:13,510 hit

と、思ったらあっという間に時間が経った。ページ15

(カノコ視点)

あれからすっかりヒラとこーすけと打ち解けた私達には、目的がもう一つ増えた。
それは、ヒラの封印を解くこと。

当然簡単ではないだろう。

しかし、友達が魔王の孫と言うだけの理不尽な呪いで一人森に閉じ込められているのだ。
認められない。

こーすけは戦争孤児らしく、森の中で遭難して衰弱していたところをヒラに助けられたらしい。

あの家はヒラが結界を張っていて、モンスターの攻撃も防ぐらしい。
封印されて力が弱っているのに、それだけ強力な魔法が使えるとは…さすが魔王の孫…。

こーすけは友人のであり命の恩人でもあるヒラのために、私達と同じ様に森で鍛えながら封印を解く方法を探す旅に出るための力をつけていたらしい。
目的が合致した私達は毎日の訓練を一緒にする様になった。

こーすけとヒラが加わったことで、訓練の効率は格段に上がった。

こーすけは相当な武闘家で、武術に関しては大人顔負けだったのた。
さらに最近は剣の腕も磨いているらしく、キヨと頻繁に打ち合っている。

ヒラは…はっきり言って規格外だった。
天使は最強、それ以上言うまい…。

とにかく、5人で只管手合わせをしたり、いろんな修行法を試すうちに、メキメキと上達していった。
今ではそこらの軍人なら同時に10人ぐらい相手にできる自信がある。

…これは慢心ではなく、ヒラとの訓練での結果による裏付けのある自信だ。

所謂シミュレーションバトル。

ヒラの魔術で隔離した空間に敵になる存在を具現化してもらって実際に戦う…実戦経験の少ない私達には本当に有難い魔術だった…ヒラ様様である。

その中で一人ずつ敵を増やしてどれだけの人数なら勝てるか、という検証もした。
最大30人程まで行ったが、その時点で満身創痍になってしまったので『余裕で』相手ができるのは10人程度という感覚になるわけだが。
…正直、ヒラが規格外過ぎて私達の基準がおかしい事になっていた。

年齢のことを加味すれば、この時点で私達は確実に『バケモノ』の枠に足を踏みいれていたのだろうが、それは今の私達が知る由もないことであった。

そして森の奥という人目のつかない場所で、ついに射撃訓練にも手をつけることができた。
幸いなことに、私は銃と相性が良く、早速戦闘スタイルの一つに組み込めている。
銃弾を入手するのに少し手間取るのがたまにキズだが…。

そんな、仲間に恵まれ充実した日々を過ごし、約7年…私はついに15歳になった。