桜の木 ページ2
A視点
さわさわーと、生暖かい風が吹いてきた。その風は私の体に触れたり、髪の毛や服、今まで集めていた綺麗な桜の花びらを持ち上げたりして走り抜けていく。
あぁ、これはまた掃除のやり直しだなと思っていると
《人が来るよ、人が来るよ》
と、風が教えてくれた。
『ありがとう。』
と、私が風にお礼を言うと、下から話し声が聞こえてきた。
私は風のイタズラによってまた散らかっている桃色の花びらをほうきで掃き、一ヶ所に集めた。
女1「ねぇ、近々あの総帥様がこの神社に来るらしいよ。」
女2「え?あの総帥様が?何で?」
女1「さぁ?神頼みでもすんじゃないの?」
女2「いやいや、それはないでしょ。だって、あの総帥様だよ?」
女1「だよねぇ〜。」
参拝しに来た二人の女性はそんなことを話しながら笑いあって、今まで来た道を引き返して行った。
………総帥様が来る?……この神社に?……何故?……
参拝ではないとしたら、考えられるのは一つだけだった。
…………私を…殺しに?……
私は忌み子だ。早く死んで欲しい。そう言う人もいるのは知っている。多分、その人達が言ったんだろうけど。
殺すんだったら、早く殺して欲しい。もう、独りぼっちは嫌だ。……でも、私が死んだら、この桜の木はどうなるんだろう。
私はどうなってもいい。でも、この桜の木には、絶対、手出しはさせない。
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作者名:モノクロピエロ | 作成日時:2018年2月26日 15時