霧と霞は両思いなのに…【時透 無一郎】

正反対な二人 ページ15

宇髄side

・

「おーい、A」

Aに近づきながら、ふと、思う。

正反対だよな、Aと時透。

瞳の色も正反対だし、
愛想の量？も全く違うし。
時透なんか皆無といってもいいくらいだ。

そんな二人の仲が本当に縮んだのだろうか、
と思わず考えてしまう。

そういや、二人が使う呼吸も正反対だよな。
霧の呼吸と霞の呼吸。

この二つは同時に風の呼吸から
派生している。

霧の呼吸は天真爛漫な呼吸で
霞の呼吸は曖昧模糊な呼吸。

一見して真逆の呼吸だが
この二つの呼吸は
弱点同士を補ったものなので
相性はいいらしい。

Aと時透はどうなのだろうか。


宇「よぉ。
昨日は時透と合同任務だったらしいな。

あいつ、大丈夫だったか？
変なこと言われてないか？」

『(えっと、誰だっけ...。あーそうそう
音柱の...祭りの神だっけな...？)』

宇「心の声がだだ漏れだぞ。
俺の名は宇随天元だ。

誰だっけセリフは時透のお決まりだぞ。」

『あれれ？聞こえてました？
すみません宇随さん。

心配しなくても大丈夫です。
無一郎、かっこよかったですよ！』

満面の笑みで返事をするAは
とてもかわいらしく、きれいだった。

...ってこんなこと思っていること
時透にばれたら殺されっぞ。

怖い怖いと思いながら再び
Aに目を向ける。

そして気づいた。

あれ、A、顔赤くなってね？

え、もしかして両想いだったり？こいつら。


宇「なぁ、お前、
時透のこと好きだったりする？」

『えええええ！！
そんなこと、あり得るわけ...

ある！！

な、な、なんでわかったんです？
あ、そっかあ。宇随さん、
お嫁さんが三十人いるんでしたっけ？
だから、勘づいたとか？』

宇「三十はさすがにいすぎだ。
三人だよ、嫁。
(さすがに時透がAのこと
好きだって言ってたなんて言えない。)」

もしかしたらAは時透並に
記憶がやばいかもしれない。

『あ、三十人の件は無一郎から聞きました！』

いや、やばいのは時透ただ一人だな。

宇「そ、そうか。
(次、時透に会ったら訂正しないとな。
地味にではなくド派手に。)

あ、そうだ。
今度、時透も誘って俺の嫁が作る、
鮭大根食べないか？

絶対、時透来るぞ。Aも来るか？」

『え！いいんですか？？
やったー！楽しみ！！

(なんで鮭大根なんだろ？？？)』

バンザイして喜ぶ
Aは確かに愛らしかった。

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