一期一会【刀剣乱舞】 (ページ8)

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和泉守兼定ページ8

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　宿に戻り、他の奴らを起こし、皆で朝飯を食べた。宿の飯は、本丸で光忠が作る飯と同等なくらいうまかった。
　布団を片付け、宿を出る。6振りでぶらぶらと歩いていると、急に街の雰囲気が変わった。

「……これじゃあどこにいるのかわかんねぇな」
「ちょっくら見てくるぜ」
「偵察、苦手なんだよなぁ」

　薬研と清光が偵察に向かう。しかし、2振りが見えなくなった直後、俺たちの前に奴らは現れた。

「……数が多いにゃあ。傷を負ったらすぐに言え！軽傷でもなぁ！」

　そう叫び、真っ先に突入していく陸奥守。大和守もおらおらおら！と向かって行った。
　俺たちも敵に向かう。

「よぉ狙って、バン！」
「首落ちて死ね！」
「闇打ち、暗殺、お手のもの！」
「そーら、目潰しだ！」

　傷を負うことなく敵を倒していく。しかし、予期せぬ事態も起こりうるもの。大太刀、薙刀が突如として現れた。

「……はは、こりゃ長い戦いになりそうぜよ」

　皆で構え、俺と陸奥守は大太刀、国広と安定は薙刀へ向かった。池田屋の前で戦った奴らとはまた格が違う。

「ぐあっ！」

　陸奥守が跳ね飛ばされる。そして、そちらに気が向いていた俺も飛ばされた。
　立ち上がろうとするが、脚に力が入らない。しかし、敵はまだ此方を見据えている。国広と安定も苦戦しているようだった。
　＿＿ここで終わりか。
　そう思った次の瞬間、陸奥守が立ち上がった。そして、敵を見据えたままこんのすけを呼んだ。

「……撤退じゃあ。もうここに奴らが来ることはない。こんのすけ、加州と薬研にも伝えてくれ。本丸に戻れ、って。……大和守と堀川も撤退じゃ。本丸に戻れ。和泉守も……」

　そこで力尽きたのか、その場に再び倒れた。こんのすけが陸奥守様！と呼び掛けている。その間にも敵は陸奥守を見ている。

「こんのすけ！清光と薬研に伝えに行け！陸奥守は俺が連れて帰る。国広！安定！一旦距離を取って、本丸に戻れ！」

　脚に力をこめ、立ち上がる。国広と大和守が本丸に戻り、清光と薬研も本丸に戻ったことを確認し、こんのすけも本丸に戻らせた。完全にいなくなったことを確認すると、俺は"自身"を敵に向け、言い放った。

「お前の相手はこの俺だ！こいつには一切手出しはさせねぇ」

　俺のほうに振り向いたところで、再び敵を見据える。

「こいつは、俺の獲物だ」

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