一期一会【刀剣乱舞】 (ページ4)

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陸奥守吉行ページ4

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　わしは、この本丸の初期刀と呼ばれる刀。主の考えることは一番わかっちゅう。が、今回の編成ばかりはどうも納得が行かん。
　夜道を石ころを蹴りながら進む。宿を探してくると言うたが、そんなのは嘘で。宿はもうこんのすけと主がとっちゅう。

「はぁ……」

　最近に顕現した刀、和泉守兼定は新撰組、土方歳三の刀やと言うた。新撰組の刀とは、元々馴れ合うつもりはなかったが、清光らは龍馬の刀やとか、銃とかそれほど気にしない奴らや。
　けんど、和泉守は違う。隠しとっても分かる銃に対する嫌悪。向こうが嫌いなんやき、わしも嫌いになってもえいが。
　そんなことを思いつつ、夜道を通っていると、こんのすけが心配そうに走ってきた。

「陸奥守さん、大丈夫ですか？」
「何がや？」
「いえ、軽傷も負っていますし、宿に戻り、手入れをしたほうが良いと思うのですが」
「……そうじゃな、戻るわ」
「はい」

　ついさっきまで通ってきた道を振り返る。そしてちぃと疲れた脚を引きずるように宿に戻った。

「陸奥の旦那、大丈夫か？」
「おう、疲れたき寝る。明日になったら起こしてくれ」
「あぁ、ゆっくり休め。隊長」

　薬研に背を向けて、女中さんが敷いてくれていた布団に潜り込み、目を閉じた。

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