05:離してよ ページ7
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あの日以来、マイキー君は私によく会いに来るようになった。
この前みたいに学校があってるときじゃなくて、ちゃんと放課後に。
「なぁ、Aー今日もヒマ?」
『うん、今日は私がどら焼き奢るよ』
そう言うと嬉しそうにマイキー君は前を歩く。なんかもう彼に会うために学校に来ているみたいなものになってきてしまった。
…別にいいか、だって私は振られたんだもの。もう隆の彼女じゃない。
そんなことを考えていたとき、誰かがグッと腕を引っ張った。
『痛っ………急に何……』
「…A、マイキーとどこ行くんだ」
引っ張ったのは隆だった。横にいるのは姫治さんだ。凄く睨んでくる。
『別にっ……隆に関係ないじゃん』
「気になるだろ、最近部活も来ねぇし。何やってんだと思ったらマイキーと一緒にいるし…」
『あのさ、私のこと振ったじゃん!!』
気づけば大声をあげていた。周りの目とか気にする暇はない。
『私のこと振って、姫治さんと付き合ったんでしょう?私はもう君の彼女じゃない。なんで関わってこようとするの!?私が何しても放っておけばいいじゃん!』
もう、やめて欲しい。私のことを心配するのも、関わってくるのも。
ただのクラスメイトを、部活仲間を気にしてるつもりかもしれないけど、私は元カノだからそういうことされると期待しちゃうんだよ。
もしかしたら元の関係に戻れるかもって。
早くこの気持ちを捨てたいんだから、邪魔しないで……
こんなことを言ってしまうことも姫治さんの計画通りだったりするのだろうか。
姫治さんの手の上で踊らされてるみたい。
「…A」
この光景を近くで見ていたマイキー君が、私を呼んだ。
傍に寄ってきて私の腕を掴む隆の手を強引に離す。
「三ツ谷、好きだったヤツ泣かせて楽しい?」
「…そんなわけねぇよ、マイキー」
「…だよな、じゃあもうAを傷つけるのはやめろ。今日はコイツ貰っていくから」
隆に掴まれていた腕を、今度はマイキー君が掴んだ。
「行こーぜ、A」
そう言って早足で歩き始める。私のこと助けようとしてくれたんだ……
隆に背を向けて歩き出したとき、彼は私の背中に向けて呟いた。
「明日は、部活来いよ。皆心配してる」
本当は断りたいけれど、そんなことしたら姫治さんに何されるか分からない。
頷くだけ頷いて、その場を後にした。
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むぎ(プロフ) - shiroさん» アキちゃんを好いてもらえて嬉しいです…!!続編では大活躍するので是非読んでもらえれば…! (2021年10月9日 8時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
shiro - アキちゃんいい子、好き! (2021年10月9日 4時) (レス) @page35 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - ゆで卵?さん» すみません!!ご迷惑をお掛けしてしまいました…!!続編、投稿したので是非読んでくださると嬉しいです! (2021年10月8日 21時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - マナさん» アキちゃんは味方ですよ!悪女との会話…の件はネタバレになってしまいますので… (2021年10月8日 21時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - むぎさん» アキちゃんは最後まで主人公の味方で悪女との会話を隠れて盗み聞きしてしまう……のは書きますか? (2021年10月8日 20時) (レス) id: 27a7acbc37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2021年9月25日 0時