29:私とアナタの ページ31
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「雅火ちゃん!怪我は大丈夫…?」
教室に入ると、心配そうにアキちゃんが駆け寄ってくれた。
『うん、なんとか……心配してくれてありがとう、アキちゃん』
「友達なんだから当然だよ!」
にっと笑って私の手を取る。
私、こんなに素敵なお友達を持っていたんだ。
もちろん他にも仲の良い子はいる。でもアキちゃんは別格だった。
『…ところで、視線が痛いんだけど…』
大体想像はつく。
六限目を丸々サボっていたから当たり前かもしれないけれど、多分理由はそれだけじゃない。
「雅火さん、絶対タカちゃんをたぶらかしてたんだよ…!」
意味不明なことを言う姫治さんの声が耳に入った。
「アキはああ言ってたけど、やっぱりモモの言う通りだったね」
「最低なのはどっちよ、ホント」
やっぱりだ。
今隆と二人で戻ってきていたらこれ以上に酷いことになっていただろうな。
ゆっくりでいいと言っておいて良かった。
「…ごめん、雅火ちゃん。私勝手なことしちゃった…」
アキちゃんが悲しそうな顔をして俯く。
ああ言ってた。とか言ってるしきっと私を庇うようなことを言ってくれたんだろうな。
どこまで優しいんだ、この子は。
私なんかがアキちゃんの友達でいいのかなって本気で思う。
『ありがとう、アキちゃん。私のためにしてくれたことを勝手なことなんて思ってないから顔上げて欲しいな』
「…でも…!」
『大丈夫、味方がいてくれるだけで私は頑張れるから』
アキちゃんの他の誰にも聞こえないようにそっと呟く。
でも、もう大切な人を巻き込みたくないから。
『姫治さん、ちょっといい?』
マイキー君とアキちゃん。そして隆。
どちらかを捨てなきゃどちらかは守れないのかもしれない。
なら私は、味方である二人を取る。
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むぎ(プロフ) - shiroさん» アキちゃんを好いてもらえて嬉しいです…!!続編では大活躍するので是非読んでもらえれば…! (2021年10月9日 8時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
shiro - アキちゃんいい子、好き! (2021年10月9日 4時) (レス) @page35 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - ゆで卵?さん» すみません!!ご迷惑をお掛けしてしまいました…!!続編、投稿したので是非読んでくださると嬉しいです! (2021年10月8日 21時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - マナさん» アキちゃんは味方ですよ!悪女との会話…の件はネタバレになってしまいますので… (2021年10月8日 21時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - むぎさん» アキちゃんは最後まで主人公の味方で悪女との会話を隠れて盗み聞きしてしまう……のは書きますか? (2021年10月8日 20時) (レス) id: 27a7acbc37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2021年9月25日 0時