振られた【三ツ谷隆】

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「別れてほしい」




『…えっ？』






付き合って一年が経とうとしていた隆に、突然別れを告げられた。



場所はいつも二人でお茶するカフェ。ここで別れたいなんて言われると思わなかったけど……






『…とりあえず、理由聞いてもいい？』





「…他に、好きな……」





『ごめんやっぱり聞きたくない。もういいよ』







好きな子が出来た。なんて、どうしても彼の口から聞きたくなかった。



自分から聞いておいて酷い話かもしれないけれど、これは耐えきれる自信が無い。






『……私のこと、嫌いだったのに付き合ってくれてたんだ』






「…A…！」





『……君を好きだったのは、私の方だけだったんだね』







それだけ言ってカフェから飛び出した。





追いかけてくる気配すらない。本当なんだね、まぁ冗談なわけないか………







あんな冷たい言い方をしたけど、私はものすごく隆のことが好きだった。





自分の何が悪かったんだろう。隆はいつからその気持ちを持っていたんだろう。





ずっと我慢していたのかな……隆、優しいから……








ポタポタとアスファルトに染みていく涙を拭って、全てを忘れるように家に帰った。

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