08:やっぱりね ページ10
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「A、そこ違うぞ。ほらこうやって……」
「悪いんだけどミシン運ぶの手伝ってもらえるか?」
「部活来てなかった割には進めるの早いな。流石だ、A」
……詰んだ。絶対詰んだ!!!
絶対計画台無しだ!!
部室に着いた途端私のところに来るのやめてよ!姫治さんのところに行けばいいじゃん!
隆が優しいのは知ってるよ?でもどう考えても元カノとの距離じゃないよね??
……それともあれなの?元カノに優しくしてる自分を皆に見せてるの?
めんどくさいヤツだけど構ってやってる的な。
あーもう!ネガティブ思考は良くない。隆はそんなことする人じゃない。多分。
やっぱり姫治さんはずっとこっち見てるし……部室で変な噂流されたくないんだよ私。
あの人何してくるか分かんないんだからさ。
もうこれはあれなのね、自分からもっと距離を取らなきゃダメってことね。
「…A、一本まち針借りてもいいか?」
『あ、うん…』
言ったそばから取れてないじゃん!!貸しちゃってるじゃん!!
でも言ってしまったのだから貸すしかないか……
手渡そうとした瞬間だった。
「タカちゃーん……痛っ!!」
急に姫治さんが入り込んで来たと思えば、指を痛がって座り込む。
「モモ!?大丈夫か!?」
「う、うん……雅火さんの針に指が刺さって……」
チラッと私の方を見て口角をあげる彼女。
あ、そう来ましたか。というかそんなピンポイントで指に当たる?
それと……嘘は良くないね?
え、なんでって……
「見せてみろっ……って、刺さってねぇじゃん」
「えっ?」
針を人の方に向けて渡すわけないじゃない、姫治さん。
刺さることを予想してやったみたいだから刺さってなくても痛さを感じたのかな?
『はー……刺さっちゃった』
「A、お前…血が出てるじゃねぇか……!!」
そりゃまぁ、彼女が入り込んでくるなんて想像していなかったから刺さっちゃうよね、針。
いやホント痛かったんだよ。でも姫治さんが刺さってもないのに痛がるフリするから黙ってるしかないよね。
『保健室行って手当てしてもらお……』
「俺も一緒に行くよ」
『いいよ、このぐらい一人で行けるからさ』
平気なフリをして部室を出た。
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むぎ(プロフ) - shiroさん» アキちゃんを好いてもらえて嬉しいです…!!続編では大活躍するので是非読んでもらえれば…! (2021年10月9日 8時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
shiro - アキちゃんいい子、好き! (2021年10月9日 4時) (レス) @page35 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - ゆで卵?さん» すみません!!ご迷惑をお掛けしてしまいました…!!続編、投稿したので是非読んでくださると嬉しいです! (2021年10月8日 21時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - マナさん» アキちゃんは味方ですよ!悪女との会話…の件はネタバレになってしまいますので… (2021年10月8日 21時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - むぎさん» アキちゃんは最後まで主人公の味方で悪女との会話を隠れて盗み聞きしてしまう……のは書きますか? (2021年10月8日 20時) (レス) id: 27a7acbc37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2021年9月25日 0時