25:桜の花びらと ページ27
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「…これで大丈夫なはず。靴履かせるぞ」
怪我の処置をしてくれた彼は靴まで履かせてくれるらしい。まるでシンデレラみたい。
『ありがとう…助かりました』
靴を履かせてもらっただけなのになんだかドキドキしてる。
「どーいたしまして…って、オマエ…噂の雅火か」
噂?あー…あれだ。
『どの部活にも所属してないから、だよね』
どこにしようか悩み続けた結果、どこにも入らず一年が経過していた。
沢山の部活からめちゃくちゃ誘われたけど圧が凄すぎて……
「めっちゃ誘われる美人が未だに何処にも所属してないって話をよく聞いてたからな。
まさかその張本人が目の前にいるなんて」
ホント綺麗な顔立ちしてんな…とさっきまで足ばかり見ていた彼が次は顔ばかり見てくる。
『いや、ちょっ…顔、あんまり見ないで……』
「悪い悪い、可愛くてつい」
ごめんな、とからかうように笑う。
意地悪くいいながら可愛いとか言ってくる辺り、絶対モテるよこの人。
だってもう既に私の心が持っていかれそうになってる。
「そいえば、俺まだ自己紹介してねぇな」
立ち上がり、ベットに座る私に微笑んで口を開いた。
「俺は三ツ谷隆。オマエとは違うクラスだが、よろしくな」
ただの自己紹介。そのはずなんだけど。
彼の周りで窓から入った桜の花びらが舞っていて、余計カッコよく見えて。
本当に物語のワンシーンみたい。
『私は雅火A。こちらこそよろしくね』
名前だけ伝える自己紹介なんてつまらないと、大体の担任は言うけれど。
今はこれだけで充分だなってそう思った。
「…あ、部活決めてねぇなら手芸部とかどうだ?」
『手芸部…?』
誘いの中に手芸部はあったっけ。
圧が凄かった運動部しか覚えてない……
「そ、俺も入ってんだけどさ。また雅火さんに会いてぇなって」
単純で悪いけどって恥ずかしそうに頭をかく。
その単純な思いが私にとっては嬉しいものだった。
また会いたいなんて言われて嬉しくないはずがない。
『私も、君に会いたいから…って理由で入部してもいいですか…』
「…!あぁ、楽しみにしてる」
この出会いが、私の日常を一変させてくれた。
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むぎ(プロフ) - shiroさん» アキちゃんを好いてもらえて嬉しいです…!!続編では大活躍するので是非読んでもらえれば…! (2021年10月9日 8時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
shiro - アキちゃんいい子、好き! (2021年10月9日 4時) (レス) @page35 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - ゆで卵?さん» すみません!!ご迷惑をお掛けしてしまいました…!!続編、投稿したので是非読んでくださると嬉しいです! (2021年10月8日 21時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - マナさん» アキちゃんは味方ですよ!悪女との会話…の件はネタバレになってしまいますので… (2021年10月8日 21時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - むぎさん» アキちゃんは最後まで主人公の味方で悪女との会話を隠れて盗み聞きしてしまう……のは書きますか? (2021年10月8日 20時) (レス) id: 27a7acbc37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2021年9月25日 0時