10:マイキー君 ページ12
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「わ、何その怪我。どしたのA」
いつもより遅くなってしまったのに、彼は校門で私を待っていてくれたらしい。
ほんっと優しいんだなぁ……
さっきまで心に積もりきっていた憂鬱な気持ちがどこかに飛んでいくのを感じた。
『遅くなってごめんね……これは……部活でちょっとやっちゃって……』
「…気をつけろよ、Aには傷ついて欲しくねぇんだ」
優しく笑って、バイクに乗るように促された。
「手が痛んだら言って。俺止めるから」
『うん、ありがとう。マイキー君は優しいね』
私がこんな素直になるのも、今じゃマイキー君の前だけだからなぁ……
何故か分からないけど彼にだったら誰にも言えなかった気持ちも言ってしまう。
誰かに聞いてほしかったのかもしれないな。最近は塞ぎ込んでばっかりだったから。
マイキー君はいつもおチャラけてる感じだけど、話を聞くときは凄く真剣に聞いてくれるから私は嬉しくてたまらないんだよ。
「部活で、なんかあったんだろ?」
新作のどら焼きを頬張りながらじっと私の方を見つめてくる。
マイキー君って感も鋭いよね……
『…前に話してた女の子の計画通りに進みそうになって…でも何とか阻止できたんだ。その代償がこの怪我なの』
「とりあえず俺はソイツぶっ殺したらいい?」
『殺すのはダメ、かな……』
「ジョーダン。Aが悲しむことはしないって」
ふっと笑って私にもどら焼きを差し出してくれる。
「ただ、俺はお前に笑ってて欲しい。小さなことでもいいから、お前を笑顔にしてやりたい」
『…ホント、優しいよねマイキー君って。なんでそこまで言ってくれるの?』
「んー?……なんでもねぇよバカ。早く食べなきゃそれ貰っちゃうからな?」
『え、くれたんでしょー?それは酷いじゃん』
「…あ、やっと笑ってくれた」
どこか嬉しそうな顔をしてくしゃくしゃと私の頭を撫でる。
自分でも驚いてしまった。最近は笑うことも減ってきちゃっていたから、こんな自然に笑顔が出るなんて。
やっぱりマイキー君って凄い人だなぁ……
チラッとマイキーくんの方を見てみると、
夕日のせいか、彼の耳が赤く染っているように見えた。
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むぎ(プロフ) - shiroさん» アキちゃんを好いてもらえて嬉しいです…!!続編では大活躍するので是非読んでもらえれば…! (2021年10月9日 8時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
shiro - アキちゃんいい子、好き! (2021年10月9日 4時) (レス) @page35 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - ゆで卵?さん» すみません!!ご迷惑をお掛けしてしまいました…!!続編、投稿したので是非読んでくださると嬉しいです! (2021年10月8日 21時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - マナさん» アキちゃんは味方ですよ!悪女との会話…の件はネタバレになってしまいますので… (2021年10月8日 21時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - むぎさん» アキちゃんは最後まで主人公の味方で悪女との会話を隠れて盗み聞きしてしまう……のは書きますか? (2021年10月8日 20時) (レス) id: 27a7acbc37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2021年9月25日 0時