01話 ページ1
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酷く暑い夏の日だった。
大して変わりない日々が過ぎていくと、そう思っていた。
同期が処刑対象になるなんて、夢のまた夢のような話で。混乱する五条を支えてやらないといけないのに、その日は早く眠りに落ちたのを覚えている。
信用を得る為に積み重ねていくことの大変さを、夏油は身を持って知っている人間なはずだった。それが壊れてしまうのは一瞬だということも。
だから私は、すぐに受け入れるなんてこと到底できなかった。
夏油が離反したことも、
「....こんなところで会うなんてね」
『会う、じゃなくて捕まえるの間違いじゃないの』
＿＿すぐにまた私の前に姿を現したことも。
すぐにとは言いながら、私からしたらかなり時期が過ぎた頃だった。硝子や五条の前とはとうの昔に再会しているくせして、私だけは彼の姿をこれまで一度も見かけなかった。
というよりも、夏油は私を避けているように思えた。その理由を、私は知らない。
それでも再会した彼は少し大人びた顔をして笑うものだから、何も責める気にはなれない。
『五条に殺されかけたんだってね、そのままやられちゃえば良かったのに』
「君に会うのが遅れたから、怒ってる？冗談のくせして少し本音が滲んでいるように聞こえるけど」
『本音じゃない、生きてて良かったじゃん犯罪者』
「素直なのかそうじゃないのか....相変わらずだね」
私は前々から、どうにも夏油に対して素直になるのは苦手だった。極端な人間、と言うべきか私は0か100でしか彼に対応できない。
素直になった途端に私の口から飛び出していく言葉の数々は、容易に想像がつくからだ。
なんで私だけ遠ざけたの。もっと早く会いたかった、声が聞きたかった。何も言わずに去るくらいなら私も連れていってほしかった。
私は貴方を、一人にしたくなかったのに。
....こんなこと、言っていいはずがない。けれど気を抜けばこの気持ちは止まらず溢れ出してしまいそうで、私は必死に嘘をつくかのように選ぶ言葉を好意からは遠ざけていく。
『....約束。良い呪霊が手に入ったら夏油にあげるって約束は、どうなるの』
「あれ、それまだ適用されているのかい？私はてっきり、もう君には縁を切られたかと思っていたから....」
縁を切られた？何を根拠にそんなことを思ったのか。私はずっとずっと、この約束を頼りに貴方に近づく口実を作り上げてきたのに。
....あぁなんだ。あの夏に素直になっておけばよかった。
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むぎ(プロフ) - カナさん» 素敵なお言葉、大変嬉しいです!!!!☺️私も二人の幸せを願ってやみません、どうか一緒に最後まで見守っていただけると幸いです。 (1月29日 23時) (
レス) id: 1e000180a9 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 切なすぎて最後がくるのが待ち遠しい反面悲話にならないで欲しいとただひたすらに願っています。それくらいこのお話が大好きです。 (1月28日 21時) (レス) @page41 id: cd1392beae (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - りんごさん» 嬉しいです!!!ありがとうございます🙌💗 (11月9日 1時) (レス) id: 3893744af8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 引き込まれました、凄く好きなお話です！ (11月7日 0時) (レス) @page26 id: 96e8a3b79d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぎ
| 作成日時：2023年10月20日 18時
