08:空気は吸わずに読んどけ ページ8
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少し離れたところにあったベンチに腰かけ、看板前で悩みまくる3人を見ながらクレープを頬張る。
口の中で甘味と酸味が絡み合い舌の上で溶けていくのを1人楽しんでいたとき、知らない足音がした。
「あっれー！Aちゃんじゃない？俺のこと覚えてる？」
『....沢渡くん？』
最悪なことに中学の同級生にハントされてしまったらしい。さらに言えば当て馬にしてきた奴でもある。
思わずクレープから口が離れ、舌に残った甘味すらも消え失せていく。少し、手かかる重量が重くなるのを感じた。
私は話すことひとつもないんでさっさとお引き取り願いたいところだが、相手はそうではないらしい。
「ひとりでクレープ？彼氏とかいないの？」
『....別に。彼氏はいないですけど』
「堅苦しいなぁタメでいいよ？俺は今日彼女と来てるんだよね。ほら君も知ってる＿＿」
やけにでかい声で喋ると思ったらそういうことか。デート先でも私を当て馬に使うつもりらしい。
せっかく皆が私のためにってしてくれてるのになんでこうなるのか。
気づかれないようそっとため息をつく。視野が狭いらしい彼は、彼女とここを訪れた経緯をひとり楽しそうに話していた。正直興味ない。
口元から離れたクレープの生クリームが時間を経て少しずつ溶けていく。
皆にバレるのも嫌だし、さっさと切り上げるしかないか。
『ごめんね沢渡くん、私ちょっと＿＿』
友達向こうにいるから、そんなことを言って逃げようとしていたのに。
「....え、Aちゃん？なんで沢渡くんと....」
クソだるい展開になってしまった。彼女は私に直接当て馬の件をお礼してきた胸くそ女子さんである。
やだやだまたお前らのイチャイチャの道具になるとかまじ勘弁。仕込みを疑うレベルだよ。
「たまたま会ったんだよ。まだフリーなんだってさ」
「あんなに色んな男の子とつるんでたのにぼっちなの？ウケるんですけど」
イチャイチャどころか半分いじめられてるんですけどどういうことですか？
私は茶番に付き合うような心の広い人間じゃないので、もう一度切り上げるために声をあげようとする。
否、しようとしたのだが。
「誰お前ら、コイツになんの用だよ」
声の主はクレープを一口頬張ったらしい悟だった。
どうやら一足遅かったらしい。最悪な展開が幕を開けてしまった。
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むぎ(プロフ) - まるさん» ご指摘ありがとうございます💦先日の投稿の際に誤って立ててしまったようです、ご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ありません💦 (2023年3月28日 8時) (
レス) id: 20f0e797ef (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ‘フラ立ってますよ！二次創作の作者には、オリ‘フラを立てることは出来ないので気をつけて下さい💦 (2023年3月28日 8時) (レス) id: d16c4af477 (このIDを非表示/違反報告)
陽毬(プロフ) - 設定から面白いし続きがめっちゃ気になります! 更新ありがとうございますm(_ _)m (2023年3月27日 0時) (レス) id: d9289f95ee (このIDを非表示/違反報告)
焼き鮭(プロフ) - 凄く面白いです！更新頑張ってください！ (2023年3月25日 17時) (レス) @page2 id: 64769613b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぎ
| 作成日時：2023年3月25日 16時
