14:思考回路は脱線中 ページ14
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「Aの青春を取り戻そう大会、しよ」
突然なんの前触れもなく、硝子が私に向かってそう言った。
私の口からはひらがな1文字のみが飛び出す。ちょっと何言ってるか分からなかった。
『いやいや....私もう沢山してもらったよ?慰め会と称してクレープ食べたりデパート行ったりさ』
「それはJKの嗜みじゃん、もっと青春ぽいことやろうぜ?五条と夏油同伴で」
『いっつも巻き込まれる2人かわいそ....』
とは言ったものの、当の本人方はやる気満々。なぜ。
悟は自分のルックスにえげつない自信があるせいで、これを私をときめかせる何かだと思っているようだし。傑に至っては多分弄ばれる私を見ることを楽しむつもりだ。根性悪共め。
結局、私で遊びたいだけじゃないかと問い合せたが3人口を揃えて「そんなことない」ってさ。
そんなことしかない言い方だろそれ。
「硝子は男sideだろ?ハンデ欲しい?頭下げたら考えてやらんこともないぜ」
「お坊ちゃんなお前の方こそいるんじゃない?浅はかな知識じゃ女の私にも勝てないに決まってる」
「あ"?」
しかも始まる前から喧嘩勃発。こうなることだと思ってましたよ私は。ちゃんと止めましたよ。
また説教コースに向かうのもあれなので、中止にする旨を叫んでしまおうと思った矢先。
私の手はがっちりと掴まれていた。
『っ、どしたの傑』
「今の内に、2人で抜け出そうか」
『はい??』
何考えてるの、なんて言わせてもらえずに傑に続いて教室を慌ただしく飛び出した。
遠くから2人が傑を呼ぶ声がする。
しかし呼ばれた張本人は呑気なもので。
「なんだか漫画のワンシーンみたいじゃない?楽しいね」
『主に少女漫画でしかなさそうだけど....ってどこ行くの!?』
連れ出したにも関わらず何も考えてなかったのか、私達は息を切らせて突き当たりまできていた。
正確には、息を切らしたのは私だけだったけど。
「恐らく悟か硝子がここまで追いかけてくるだろうし、せっかくならもう1つやっておこうか」
何を?と聞けば、君の言う少女漫画らしいこと、と即答される。
一瞬、頭に疑問符が浮かんだ。
それと同時に、私の顔の横には彼の腕が伸びていた。釣られるように壁に背がつくと完全包囲されたことを自覚する。
「たとえば王道の、壁ドンからの顎クイとかね」
楽しみ方の度が過ぎている彼から、誰か私を救ってください。
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むぎ(プロフ) - まるさん» ご指摘ありがとうございます💦先日の投稿の際に誤って立ててしまったようです、ご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ありません💦 (2023年3月28日 8時) (レス) id: 20f0e797ef (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ‘フラ立ってますよ!二次創作の作者には、オリ‘フラを立てることは出来ないので気をつけて下さい💦 (2023年3月28日 8時) (レス) id: d16c4af477 (このIDを非表示/違反報告)
陽毬(プロフ) - 設定から面白いし続きがめっちゃ気になります! 更新ありがとうございますm(_ _)m (2023年3月27日 0時) (レス) id: d9289f95ee (このIDを非表示/違反報告)
焼き鮭(プロフ) - 凄く面白いです!更新頑張ってください! (2023年3月25日 17時) (レス) @page2 id: 64769613b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2023年3月25日 16時