06:甘く溶けて ページ7
.
『ご、五条くーん...あのね、さっき飲ませたのは、』
俺を諭すようなAの声に、脳が、体が、反応した。
いっつも呼び捨てのくせに、機嫌を取ろうとすると君付けするのも、もう慣れていたはずなのに。
いつもより甘く聞こえるその声に、脳が溶けてしまいそうだった。
彼女の言葉を遮り、顔を背ける。
「うるせーよA、お前がなんと言ったって惚れ薬とか信じねぇから」
普段と変わらない態度を取っているはずなのに、Aの顔さえ見れない。
見たらどうにかなってしまいそうだった。
こんなにもAを意識したことなんて、ない。
「...お前の顔見てるとなんか胸が苦しくなるから、どっかいけ」
そう呟くと、半分諦めの入った声がまた俺を刺激する。
『...マジかよ五条...』
そう言うと言われた通りに俺の元を離れ、彼女の足は傑の方へ向く。
そちらを少し見ると、傑に何か相談しているように見えた。
こちらからは横顔しか見れない、けどまた俺の心臓はうるさく喚く。
アイツ、こんなに可愛かったか...?
肩についた髪が彼女の頬を掠め、擽ったそうにして指に巻く。
その一つ一つの動作が、あまりにも愛らしく見えた。
でもきっと、それも今日だけに決まっている。
ああいう飲み物は、次の日には効果が切れたりするものだ。そうに決まってる。
今はそれに期待するしかない。
こんな状態がこれからずっと続くなんて、どうにかなってしまうから。
430人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
むぎ(プロフ) - ごりらさん» ラストに注目していただけたの凄く嬉しいです…!!思わずニヤついちゃうコメントをありがとうございます、ごりらさんにとって記憶に残れるような作品が作れたことを光栄に思います…!!こちらこそありがとうございました!! (2022年4月4日 9時) (レス) id: 20f0e797ef (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - あおぞら(`・ω・´)さん» あおぞらさんっ!!そんな!!こちらこそ読んでくれてありがとうっ!!! (2022年4月4日 9時) (レス) id: 20f0e797ef (このIDを非表示/違反報告)
ごりら(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ラスト書かないの、色々考察できて良きですね…!!登場人物の心情の変化や情景がすごくわかりやすく、感情移入して楽しく読むことが出来ました!改めまして、本当に素敵な作品をありがとうございました!大好きです!お疲れ様でした! (2022年4月3日 21時) (レス) @page14 id: 0c5c330aa8 (このIDを非表示/違反報告)
あおぞら(`・ω・´)(プロフ) - むぎ様!!!なんて素敵な作品をっっっ!ありがとうございますっ!!! (2022年4月3日 21時) (レス) @page14 id: 11b3922fd9 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - ごりらさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!!ご満足いただける話になれたら幸いです...! (2022年4月2日 16時) (レス) id: 20f0e797ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:むぎ | 作成日時:2022年4月2日 14時