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『またメソメソしちゃって。笑ってよ、夏油』
「この状況で誰が笑えるんだよ」
目の前でにっこりと微笑む彼女に、丸めた紙を投げつけた。当たるわけもなく、すり抜けて床へと落ちる。そんなAが消えて二ヶ月が経ったある日。
2月4日から、半透明なAが何故か目の前にいた。
自分にだけ見えて、自分にだけ声が聞こえる。幽霊かと思ったが、違った。
「何やってるんだ私は。馬鹿なんじゃないか」
『あ、私の残してたプリンないんだけど！夏油の誕生日に食べようと思ってたのに』
明らかに会話が繋がらない。加えてどこかで聞いたことのある言葉。
これは考察だが、あの日まで生きていた彼女の、私と取り合った会話を繰り返しているのではないかと。つまりただの幻想だと、そう考えた。
勿論Aとの会話を全て覚えているわけではない。でも、聞くと鮮明にその当時が思い出される。それがピッタリと、今目の前にいる彼女に重なる。
問いかけに答えることもなければ触れることも出来ない。更に言えば彼女の言葉には連続性がない。
だからこれは一種の呪いだと捉えた。彼女の死を受け入れられなかった故の。
『ほら、スマイルスマイル！』
何も出来ず、彼女を見殺しにしてしまった自分の拳を見つめれば、そんな声がする。
あぁ確か、彼女にそう言われて笑いかけたことなんか、一度もなかった。
これもこの呪いがかかった理由だったりするのだろうか。
「...笑えば、君が帰ってきてくれるのかい」
『間に合わなくて、ごめんね』
たまに少し回答らしくなっているのが、なんとも言えなくなる。
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seksi - 泣きすぎちゃった！！ (8月8日 16時) (
レス) @page12 id: 938f11a994 (このIDを非表示/違反報告)
あめ玉 - 泣ける！ガチですごい！ (2022年3月27日 3時) (レス) @page12 id: 09aca0ac89 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫さん - 涙が止まりませんとても心が温まりました！ありがとうございます！ (2022年2月27日 1時) (レス) @page12 id: cbcafde3fb (このIDを非表示/違反報告)
ぱすた(プロフ) - 泣いたヽ(；▽；)ノ涙が止まらん (2022年2月5日 19時) (レス) @page12 id: 287f0ed476 (このIDを非表示/違反報告)
もうた(プロフ) - 泣きながら読みました笑死ネタはあまり読まないんですけどこのお話は個人的にめっちゃ好きです (2022年2月5日 8時) (レス) @page12 id: 3c458b34df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぎ
| 作成日時：2022年2月4日 22時
