07：雨の滴るいい男 ページ7
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その数日後、寝癖事件のあった廊下でまたAの声が響いた。
『傑、どうしたのそんなに濡れて...！』
あわあわと分かりやすく慌てる彼女。その声掛けに対し夏油は
「みっともない今の私を見られたくなかったのだけれど」と、後悔を心中で呟きながら彼の身に降り注いだ雨の斬撃について落ち着いた口調で話す。
任務が終わった途端に予報外れな雨が降り始めたこと、不慮の事故などがあり迎えが来れず、雨の中を走りながら帰ってきたこと。
こればかりは仕方がないね、と苦笑いを浮かべた。
じっと静かに彼の話を聞いていた彼女は、「傑は無理して話している」と見た。仕方がないという言葉では済まないほどずぶ濡れで、今でも雫が滴っている。
こんなときに何もしないなんて彼女として情けない、と何かを決したように短く息を吸うと、乾いた彼の手を握った。
『このままじゃ風邪引いちゃう。拭いてあげるから、私の部屋来て』
普段だと彼女からそんな言葉が出ることはない。それほど本気で言ってくれているのだと直感で感じてからは、彼の胸をきゅうっと締めつけた。
Aは実際、常に色気丸出しだからか、夏油を部屋に入れたり彼の部屋に入る勇気がなかったのだ。
今までの迫られた過去のことを考えると、Aは正しい感覚を持っていたとも言える。
手を握られた夏油はと言うと、前のように取り乱したりはせずに彼女を促すように優しく手を握り返した。
「ものすごく嬉しい心配だけれど、それだとAが風邪を引いてしまうだろう。私は自分がそうなるより、君が苦しんでしまう方が辛いんだ」
ね？と訴えかけるようにAを見つめる。
こんなときでさえも夏油の色気は物凄い。濡れているせいかもしれないが、彼女の目には"雨の滴るいい男"として映ってしまった。
そうなってしまってはAの言葉に説得力は籠らなくなり
『...私は、傑が辛そうにする方がやだ』
結局本音が零れるだけだった。
しかし夏油はそんな無意識な本音に一番弱い。
そんな口を噤んだ彼の手を握ったまま、女子寮へと足を運んでいった。
...一言言うとするならば、別に部屋に入れなくともどうにかなったと思う。
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甘木 - えっ何でこんなに可愛いんですか…？？夏油様も可愛ければ夢主ちゃんも可愛い…え？夏油様は神じゃなく天使と女神が合わさった方だった…？(脳し) (2022年1月28日 2時) (
レス) @page7 id: 7c01fc8068 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - えっ？二人とも可愛いすぎんか⁇夏油様頑張れ！笑 (2022年1月27日 13時) (レス) @page5 id: 72f2f340c8 (このIDを非表示/違反報告)
RURI(プロフ) - 夏油様！むぎちゃんの新作待ってましたー！可愛い攻防戦をありがとう(*´˘`*)♡ (2022年1月26日 23時) (レス) id: 8724428549 (このIDを非表示/違反報告)
ろく - めちゃ可愛い夏油傑です最高です (2022年1月26日 22時) (レス) @page2 id: 5f4bcdb5df (このIDを非表示/違反報告)
甘木 - わあ…！夏油様だ…！なにこの可愛くてちっちゃな攻防戦‼︎可愛い過ぎませんか？？え、可愛さに殺されるっ…！ (2022年1月26日 21時) (レス) @page2 id: 7c01fc8068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぎ
| 作成日時：2022年1月26日 18時
