31:写真と嫉妬2 ページ33
*リクエストその2(後編)
『えっとー...これは、そのですね』
「流石に言い訳は効かねぇよ」
持っていたスマホを机に置いて、そっと私の頬に手を当てる。
軋むソファの上で唇が重なった。
一度離れても、求めるかのように顎を引かれてまた音を立て重なる。隆くんが拗ねていたのは明らかだった。
少し長めの口付けを交わすと、不満そうに言葉を零す。
「千冬だけずりぃんだけど。彼氏の俺はどうなってんだろうな?」
『ち、千冬くんは弟みたいな存在だからっ...!』
「家族扱いとかもっとずりぃよ。俺だってまだ彼氏から変われてねぇのに」
Aの馬鹿野郎、と強く私を抱き締める。拗ねていると言うよりこれは...
『...もしかして、嫉妬してくれてるの?』
「しねぇバカいねぇだろ。Aにとってはいつだって俺が1番でいて欲しいんだよ」
隆くんのことが1番に決まっているのに、寂しそうに目線を落とす。
さっき、彼氏から変われてない、とか言ってたけどもしかして...そういうことも考えてくれているのかな。
彼氏じゃなくて、家族に...
彼を目の前にしてワンテンポ遅れて理解が追いつく。嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。
どうやら隆くんは無意識に言っていたらしい。
『私は、隆くんしか見てないよ』
ほら拗ねないで、となだめるように優しく背中を撫でる。するとゆっくり顔を上げた。
じっと私を見つめる綺麗な瞳。昔から変わっていない、少年っぽさが顔を出す。
「俺も、もうAしか見れねぇよ。今までもこれからも、ずっと」
『...大好きでいてくれるんだね』
「当たり前だ。だからもう変な心配させんな」
『嫉妬しちゃうから?』
少し意地悪をするつもりで尋ねると、耳を赤くして口を塞がれるかのようなキスをされた。
唇が離れると、目線を逸らして彼は言う。
「...独占欲、高まっちまうから」
ほんと隆くんって可愛い、なんて思いながら抱き返すかのようにぎゅっと彼に抱きつく。
結局その後は2人でツーショットを撮り、新しいフォルダができてしまった。
スマホがイケメン写真でパンクしそうです。
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椿(プロフ) - 三ツ谷クンかっこよす…! 以前のコメの返しに書いてあったんですけど裏事情編はもう世には出さないんでしょうか…? (2022年6月25日 2時) (レス) id: 2ebe3047aa (このIDを非表示/違反報告)
東リベ推し - 尊死してます⭐️最高です❗️お話作りの天才だ,,, (2022年3月28日 14時) (レス) @page30 id: e85af83036 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - あっそうだったんですね!全然気にしないで下さい!!本編でお腹いっぱいなくらいですから! (2022年2月6日 19時) (レス) id: 8246f3ea16 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - みおさん» あわわごめんなさい...!!諸事情で裏事情編を消してしまって...すっかりこちらのお知らせを削除しておくのを忘れてしまっていました、大変申し訳ないです... (2022年2月6日 15時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 1日で全部読んでしまいました、最高です、むぎさん神ですか?もう、本当に!何ですが何故か裏事情編が見れなくて、ログインもしてその不健全なのも見れるようにしてあるんですが、 (2022年2月5日 15時) (レス) id: 8246f3ea16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2021年10月14日 21時