炭酸青年は今日も甘い【三ツ谷隆】

30：写真と嫉妬1 ページ32

＊リクエストその2(前編)








『見て見て隆くん、ほら可愛いでしょ』


「はいはい、分かったって」







家に着いた後、ペットショップ...XJランドで撮った沢山の写真を彼に飽きられるほど見せて可愛さをアピールしていた。

ほらもうこの子なんか堪らなく可愛い。何このくりくりしたお目目、キュートすぎる。


そんな勢いでスマホの画面をスワイプしている中、途中で映るものが変わった。







『あ、これさっき千冬くん激写したやつだ』


「おーおー...っておい、どんだけ撮ってんだ？」


『ざっと10枚くらいかな、昔と変わらず可愛い顔してるよね千冬くん』








ほらこの顔とか...とテンション高めに隆くんに話しかければ、何故か変わった彼の雰囲気。

それもいい方ではない。



少し顔を近づけたかと思えば、





「なぁ、俺も」




と、よく分からない表情で訴えかけられた。

そんな簡単にいいよ、なんて私が言えるわけが無い。






『や、それはちょっと...』



「なんでだよ、オイ目を逸らすな」



『スマホに隆くんの写真なんかあったらすぐニヤニヤしちゃうから無理...！！』








スマホの中のフォルダ、イケメンばっかりになっちゃう。無理だよ恥ずかしいもん。
だけど必死にその言葉を伝えたつもりが、何故か満足そうに彼は微笑んだ。







「俺未だにAの寝顔写真持ってるけど、永久にニヤニヤしてられるから」


『会話成り立ってないし、なんでまだ持ってるの！？恥ずかしいから消してよ！』


「ムリ。くそ可愛いから」







待ち受けにしてやろうか、とかスマホをチラつかせながら言われて意地悪なところはまだまだ健在なことを思い知る。

これ以上写真見せないでおこう、と電源ボタンを押そうとしたとき
指が誤作動を起こしてきた。






あっ、と声が漏れたときにはもう遅い。







「...へぇ？仲良くツーショット撮ってんじゃねぇか」






あっという間にスマホは隆くんの手の中に収められていた。

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