29:ペットショップにて ページ31
*リクエストより
ある日の会社の帰り道。
もう夕日も沈みかけた空の下、とある看板が目に映った。
ペットショップなんて近くにあったっけ?と思いながらマップアプリで調べてみると、表示されたのは看板と同じ名前のお店。
徒歩5分程度のところにあるらしい。行ってみようかな。
動物好きというのもあり、私は足を進めた。
きちんと隆くんにもメールを送りスマホを鞄にしまう。
歩き始めてちょうど5分後。
目の前に広がるのは看板とスマホで見たのと同じ名前のペットショップ。
まだ店内には明かりが付いている。入っても良さそうかな。
『こんばんはー、まだお店やってますか?』
カラン、と音を立てドアを開ける。すると聞き馴染みのある声が。
「いらっしゃいませー、当店は20時まで営業...って、Aさん?」
『...あれ、千冬くん?』
迎えてくれたのは数年ぶりに会う千冬くんだった。もう金髪ではなかったけれど面影のある瞳。
ここで働いているらしい。
『千冬くん大きくなったね...!!初めて会ったときなんか40cmくらいだったのに』
「しれっと馬鹿にしてますよね?俺ももう大人っスから」
怒っているように見えてなんだか楽しそうな彼。確かに前よりも大人びて見えた。
小さく流れるBGMと、周りから聞こえる動物達の声。
それを遮るように口を開いたのは私だ。
『あれ、そういえば場地さんは...』
「あぁ場地さんならちょうどさっき定時上がりだったンスよ。なんかマイキーくんにたい焼き買って来いって言われたらしくて」
『相変わらずマイキーくんは人使い荒いね...折角だから会えたら良かったんだけどな』
タイミングが悪いとはまさにこのことだ。今日も仕事でミスしたし、ついてない。
少し目線を落とせば、励ますかのように彼は言う。
「まだ時間あるんでしたら是非見ていきません?可愛いコばかりッスよ」
『...癒されますでしょうか』
「お任せ下さい、最高の癒しをお届けします」
そう言って笑った千冬くんに着いていく。
彼の言った通り、店内は可愛い動物達ばかりでついつい飼いたくなってしまう。
時折隆くんに写真付きでメールを送れば
「おぉ、可愛いな。Aには適わねぇけど」
とか平気で送ってくるのでその度に千冬くんにからかわれて、顔を赤くする羽目になった。
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椿(プロフ) - 三ツ谷クンかっこよす…! 以前のコメの返しに書いてあったんですけど裏事情編はもう世には出さないんでしょうか…? (2022年6月25日 2時) (レス) id: 2ebe3047aa (このIDを非表示/違反報告)
東リベ推し - 尊死してます⭐️最高です❗️お話作りの天才だ,,, (2022年3月28日 14時) (レス) @page30 id: e85af83036 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - あっそうだったんですね!全然気にしないで下さい!!本編でお腹いっぱいなくらいですから! (2022年2月6日 19時) (レス) id: 8246f3ea16 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - みおさん» あわわごめんなさい...!!諸事情で裏事情編を消してしまって...すっかりこちらのお知らせを削除しておくのを忘れてしまっていました、大変申し訳ないです... (2022年2月6日 15時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 1日で全部読んでしまいました、最高です、むぎさん神ですか?もう、本当に!何ですが何故か裏事情編が見れなくて、ログインもしてその不健全なのも見れるようにしてあるんですが、 (2022年2月5日 15時) (レス) id: 8246f3ea16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2021年10月14日 21時