炭酸青年は今日も甘い【三ツ谷隆】

28：寝起きな彼女 ページ29

三ツ谷side






朝、小鳥の囀りが耳に届いて目が覚めた。

うっすら瞼を開けば映るのは日に照らされた彼女の姿。

カーテン閉めてやろうかな、なんて思いつつもまだ意識はハッキリとせず腕は動かない。






もう一度瞼を閉じたとき、寝起きな彼女の声が聞こえた。






『んぅ...まぶし...』





そう言うと擦れる布団の音。俺の体の向こうへと手を伸ばしたのが分かった。
多分俺が寝ていると思っているんだろう。

少し瞼を開けば、必死に手を伸ばして自分で閉めようとする彼女。




それを邪魔するように、俺はAの頬をそっと撫でた。








「...おはよ」


『えっ、あっ、おはよう...！』







まだ眠たそうにしていた彼女がぱっちりと目を開く。そんな反応さえ愛おしい。
衝撃からなのか近づいていたはずのAの体は少し遠さがったように感じた。



...今はなんだか抱きしめてぇ気分。



恥ずかしそうに布団を握り締める彼女をそっと呼んだ。







「こっちおいで、A」






そうすると、なんだか嬉しそうに微笑んで布団から手を離す。
ゆっくり近づいてくるAがなんだか焦れったくて、自分から手を伸ばした。



やがて密着する体。俺よりも細くて華奢で女の子って感じがまた愛おしい。







「んー、かわい」


『隆くんだってかっこいいよ』


「おう、さんきゅ」






思わず想いを零せば、負けじと俺を褒める彼女。
そんなとこも可愛い。


ぎゅっと抱きしめると、何故か俺の胸に顔をうずめてボソッと何かを呟いた。








『...すき』







俺の胸にかかる息と小さな愛の囁き。

朝から刺激が強いよ、お前は。









「あぁもうそういうとこな。俺も好きだ」







愛おしくて堪らなくなりさらに強く抱きしめる。




俺の彼女は寝起きだろうとなんだろうと、宇宙一可愛い。


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