炭酸青年は今日も甘い【三ツ谷隆】

21：飲み会という名の ページ22

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「一ノ瀬、今日一緒に飲むでしょ？」






仕事終わり、同僚に声をかけられて手を止めた。

前に言ってた飲み会、今日だったんだ。





『うん、飲む飲むー！』





同僚達とだし、気を使う人がいないから普通に参加することにした。







隆くんに連絡しとかなきゃ。



そう思ってスマホを開き、文字を打つ。





『ごめんなさい、今日飲み会に誘われたから帰りが遅くなるかも。夕飯は要らないよ』






それだけ打つと、スマホを鞄に入れ同僚達とともに会社を後にした。







連れてこられたのは街中の居酒屋。ここ、隆くんとも来たことあるところだ。





...それより、飲み会だと思ってたんだけどなぁ





『これ実質合コンだよね？飲むって言ってなかったっけ！？』






連れられた個室には、既に3人の男性がいた。


よく見てみれば、会社で顔を合わせたことのある気もするけど




同僚にどういうことか聞けば、申し訳なさそうに手を合わせた。






「ごめん！どうしても今日みんな空いてなかったみたいで...人数合わせで呼んだの。一ノ瀬は彼氏持ちだから、元々は誘わないつもりだったんだけど...」







つまりは、私が前に聞いていた飲み会はこれじゃなくて別日にあるらしい。


だよね、彼氏持ちは合コンなんか来ないもんね。



でもここまで来て帰るのもなぁ...なんか申し訳ない気もするし。







『分かった、なら男性陣には私が彼氏持ちってことちゃんと伝えていい？』


「それはもう伝えてあるよ、だからただの飲み会って感じで楽しんで欲しいの」







えっと、皆にとっても合コンみたいな飲み会ってことでいいのかなぁ？


男性陣の向かいに座り、スマホを取り出す。







もちろん隆くんにもう一度連絡をするつもりだ。





再びスマホを開くと、メールの通知。






「了解。楽しんでな」




という彼からのメールに罪悪感を感じながら、文字を打つ。









『飲み会って聞いていたんだけど、なんか実質合コンみたいになっちゃって。彼氏持ちってことは伝えてくれてるみたいなんだけど、予定より早く帰ろうかなって思う』







送信ボタンを押すと、すぐに既読がついた。



少し遅れて送られてくるメール。






「へぇ...色々と不安だな。迎えに行くよ、場所教えて」






わざわざいいよ、と送ろうとしたけど多分彼は引き下がらない。






『ありがとう、場所は____』








それだけ打って、またスマホを鞄にしまった。

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