14:彼シャツ ページ15
三ツ谷side
「うし、買い物終わり...っと。今頃何やってるかな、Aは」
どこにいても、何をしていても、まず頭に浮かぶのはAのこと。
洗濯物片付けとく、とは言ってたけどそろそろ終わってる頃だろ。久しぶりにケーキかなんか買っていってやるかな。
別に今日が何かの記念日な訳じゃない。
だがやっぱり、好きなヤツの喜ぶ顔はいつだって見たくなるものだ。
帰路の途中にあるケーキ屋で、Aの好きなモンブランとチーズケーキを買い、急ぎ足で家に帰った。
「ただいま」
いつもなら『おかえり』って声が帰ってくるはずが、珍しく無音だ。
寝てんのかな。
「...A?」
リビングに入ると、目に映ったのは部屋の真ん中で寝転がるAの姿。
周りには畳まれた洗濯物。タオルを枕にして眠っているみたいだ。
「A、寝るならベットで寝ねぇと体痛めちまうぞ。...A、起きろって」
優しく体を揺さぶってみる。するとまだ眠りが浅かったのか、すんなりと目を覚ます。
まだ眠たそうに目を擦っている。可愛いな、なんて思っていたとき、一つの違和感に気づいた。
...Aが着てんのって、俺のブラウスか?
袖の長さ、というか全体的に大きい気がする。
...俺のブラウスを、Aが???
あれか?彼シャツとか言うやつか?でもただのブラウスだよな?なのに、なんでこんなに可愛く見えてちまうんだよ...
あまりの出来事に目を逸らせないでいると、そんな目線に気づいたのか首を傾げる。
『...?どしたの.....あ』
どうやら故意で着たようで、バレてしまったと言わんばかりに耳を赤くした。
「...それ、俺のブラウス、だよな」
『えっと...そうなんだけど、その、これは....』
口籠もりながらも何か言い訳をしたそうにするA。
寒かったから。とでも言ってくれればいいのにな。
...まぁ、とりあえず。
『...えっ、ちょ何して?』
何って、そりゃあ、撮るんだろ。
「クソ可愛いAを永久保存するだけだから、安心しろ」
『安心できないよ!?』
抵抗される頃には既にシャッター音は鳴っていて。
「写真は撮ったことだし、なんで俺のブラウスを着てるのか、教えてくれるよな?」
『ひぇっ...』
俺がAを逃がすわけねぇんだよな。
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椿(プロフ) - 三ツ谷クンかっこよす…! 以前のコメの返しに書いてあったんですけど裏事情編はもう世には出さないんでしょうか…? (2022年6月25日 2時) (レス) id: 2ebe3047aa (このIDを非表示/違反報告)
東リベ推し - 尊死してます⭐️最高です❗️お話作りの天才だ,,, (2022年3月28日 14時) (レス) @page30 id: e85af83036 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - あっそうだったんですね!全然気にしないで下さい!!本編でお腹いっぱいなくらいですから! (2022年2月6日 19時) (レス) id: 8246f3ea16 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - みおさん» あわわごめんなさい...!!諸事情で裏事情編を消してしまって...すっかりこちらのお知らせを削除しておくのを忘れてしまっていました、大変申し訳ないです... (2022年2月6日 15時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 1日で全部読んでしまいました、最高です、むぎさん神ですか?もう、本当に!何ですが何故か裏事情編が見れなくて、ログインもしてその不健全なのも見れるようにしてあるんですが、 (2022年2月5日 15時) (レス) id: 8246f3ea16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2021年10月14日 21時