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17:片想いの底なし沼に ページ17

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『...先輩、近い、です』

「普通だよ、ごく一般的な距離」









私とズレた普通を押し付けられても困りますよ先輩。




そんな言葉をグッと飲み込み、汗の滲む手を強く握った。
身長差があるおかげでまだまともに話せている。これが囁かれていたりしたらもう、どうなるかなんて考える余裕すらない。



先輩後輩の関係でもこんなに距離が近いものなのか。絶対違う。









『私は、どっちの先輩も好きです。それじゃダメなんですか』

「...欲張りめ、その答えはずるいんだよ」








その声が届くと、すっと背中の感触が消えた。
振り返ると少し頬照った先輩の姿が目に映る。右手で顔を押さえ、ため息をついているように見えた。




ついさっきまで運動していたからだ、きっと。
今の会話で私が先輩をそうさせたわけじゃないよね、?




また変な期待をしそうになる自分が嫌になった。
言い訳するとすれば「だって先輩がグイグイくるから」だろうか。

ここまでこられると、もう手の打ちようがないんじゃないかって思う。





自分にも可能性があるとか思ってしまうし、もっと傍にいたいとか、私も1年早く生まれていればとか、今まで考えたことすらないことまで頭を巡る。


多分これが恋なんだろうけれど、最後には失ってしまうことが目に見えてしまった。






いっそ、先輩に彼女でもできれば少しはマシになるんだろうか。
先輩にとっての私がゼロだと分かれば期待もしない。余計なことも考えない。そんな自分へと変われるだろうか。




...無理だろうなと、そう思った。





どこまで行っても私の中の先輩の存在は揺るがないし、この想いも揺るがない。
救いようのない自分の未来図が見える。堕ちに堕ちてしまう私の。




気づきたくなかったと言えば嘘になるけれど、知らない方が幸せだったりするのかもしれない。どちらが良かったのかはまだ、私には分からないけれど。











「あー、もう調子狂う」





先輩の顔を押さえていた右手は頭をかいて、






『そんな先輩も好きですよ』





本音でしかない言葉は零れて、汗の乾いた手はスカートの裾を握った。




調子を狂わせているのは、全部先輩なのに。


.

18:言わなきゃならないこと→←16:鼓動が手に取って分かるように



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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 夏油傑   
作品ジャンル:恋愛
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RURI(プロフ) - むぎさん» あれはもう沼です‪( ˙-˙ )✧‬ちなみに私の推しは棘くんです(謎情報) (2022年1月24日 20時) (レス) id: 8724428549 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - RURIさん» RURIちゃんありがとう♡なるほど同士なんだね…!!映画はもうあれ沼だよね(?) (2022年1月24日 18時) (レス) id: 20f0e797ef (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - ゆたさん» ゆたちありがとう…!!私なりのやり方で一生懸命書いてみた〜♡楽しんで貰えたなら嬉しいな…! (2022年1月24日 18時) (レス) id: 20f0e797ef (このIDを非表示/違反報告)
RURI(プロフ) - むぎちゃんのじゅじゅ楽しみー!私も映画見に行ってハマってしまったから気持ちわかる! (2022年1月10日 20時) (レス) @page3 id: 8724428549 (このIDを非表示/違反報告)
ゆた(プロフ) - わあん、むぎたんのじゅじゅ…!楽しみすぎる♡ (2022年1月10日 20時) (レス) @page3 id: acb47aa965 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むぎ | 作成日時:2022年1月10日 20時

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