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12:不器用なだけ ページ12

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一人になったことを確認して、少しシワのついたシーツへと静かに沈みこんだ。




自分が何をしたいのかが分からない。



これが今の心境だった。先輩への気持ちが揺らいでいるからなのか、彼のことを考えるのも苦痛になりつつある。それもなんだか嫌だった。

でもこのままじゃきっと、これから会うときも失礼な態度を取ってしまう。それだけは避けたい。笑顔で接したい。

...だから早くこの痛みを取らなくては。

浮いたシーツを強く握って、そう心に決めた。

















「何やってるんですか、こんなところで」






誰もいない廊下の壁を伝うことおよそ一分。
声のする前方へと顔を向けると、七海が冷血な目で私を見ていた。

そんないつも通りの彼に安心感を覚えたのか、力が抜けずるりと音を立てて冷たい床へと座り込んでしまう。







『...寮に、戻ろうかなって』

「戻る気ありませんよね」

『バレた?教室に行けば誰か会えるかなって思ってさ...』






薄ら笑いを浮かべ、痛みが顔に出ないよういつも通りの自分を演じるけれど、それが七海に通用する訳がなかった。






「...助けが必要ならさっきみたいに携帯で呼べばいいでしょう。少なくとも見捨てる様な真似はしませんよ」






冷たく言い放つくせに、肩を貸してくれる辺りやっぱり根は優しいんだと思う。
何を言わずとも足に負担がかからないように配慮してくれているのが目に見えて分かる。少し不器用なだけなんだろうな。







『ごめん、ありがとね』

「いえ別に。...あぁ、五条さんみたいに抱き上げた方がいいですか」

『え、ねぇ見てたの?七海のえっち』

「心外ですね」







ため息をつきながらも私に合わせて足を進めていく七海。
そういえば、どうして





『かけた先は七海だったのに、なんで先輩が...』




ふと、独り言のように忘れかけていた疑問が浮き上がってくる。
七海はその全てを知っているかのように呆れて口を開いた。






「貴女の番号を教えろとしつこくて。携帯を奪われた際にタイミング悪く貴女からかかってきただけです」

『え、あぁそうなんだ...そっか...って、は?』





疑問を投げかけると、また彼は面倒くさそうにため息をつく。






なんで先輩が私の番号を欲しがっていたのか。
また変な期待だけが溢れてきそうだった。


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13:鈍感→←11:分かっていたけど



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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 夏油傑   
作品ジャンル:恋愛
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RURI(プロフ) - むぎさん» あれはもう沼です‪( ˙-˙ )✧‬ちなみに私の推しは棘くんです(謎情報) (2022年1月24日 20時) (レス) id: 8724428549 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - RURIさん» RURIちゃんありがとう♡なるほど同士なんだね…!!映画はもうあれ沼だよね(?) (2022年1月24日 18時) (レス) id: 20f0e797ef (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - ゆたさん» ゆたちありがとう…!!私なりのやり方で一生懸命書いてみた〜♡楽しんで貰えたなら嬉しいな…! (2022年1月24日 18時) (レス) id: 20f0e797ef (このIDを非表示/違反報告)
RURI(プロフ) - むぎちゃんのじゅじゅ楽しみー!私も映画見に行ってハマってしまったから気持ちわかる! (2022年1月10日 20時) (レス) @page3 id: 8724428549 (このIDを非表示/違反報告)
ゆた(プロフ) - わあん、むぎたんのじゅじゅ…!楽しみすぎる♡ (2022年1月10日 20時) (レス) @page3 id: acb47aa965 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むぎ | 作成日時:2022年1月10日 20時

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