乗っ取りません：１ ページ1
ゆのい 「ほら、ここがあんたの部屋よ」
A 「ありがとうございます〜」
ゆのい 「厨房とお風呂とお手洗いと洗濯機だけは貸してあげるわ。それ以外の用事で本丸に近寄るんじゃないわよ」
A 「政府に審神者の素行を見て学んでこいって言われたのですが」
ゆのい 「は？ 知らないわよそんなの。とにかく、本丸に近寄らないで。もちろん刀剣たちとの接触も禁止よ」
ゆのいはボクをにらみつけてから、乱暴に扉を閉めた。
あぁもう、そんなに乱暴に閉めたら扉壊れるじゃん。ただでさえボロいんだから……。
案内されたのはボクがゆのいに乗っ取られた時、しばらく過ごしていた懐かしの離れだった。
木製の壁や床はミシミシと音をたてて軋むので、なんとも心もとない。
しばらく使われていなかったのだろう、家具は埃をかぶっている。布団もだ。清潔感のかけらもない。
唯一の救いといえば、電気がまだちゃんと使えること。これも埃をかぶっているから若干薄暗いけれど。
うーん……。本丸を取り返す前に、まずは掃除からしたほうがいいかな。
このままではろくに生活もできない。
A 「うん、掃除しよ」
荷物を適当において、離れにある小さなチェストの中から錆びた鍵を取り出す。
ここにあるということは、誰もここに離れの鍵があるなんて知らないのだろう。元審神者なめんなよ〜。
鍵を片手に離れから出る。鍵をかけて、一応結界も貼っておいた。
たしか掃除道具は倉庫にあったはず。
おぼろげな記憶をたどって、そう遠くない倉庫へと足を向けた。
A 「……あれ？」
ところが、倉庫は空っぽだった。掃除道具もなければなにもない。
呆然と倉庫の前で立ち尽くす。
……ゆのいに場所を聞くしかないのかね。
話しかけたくはないが、ここはもう腹をくくるしかない。
お手洗いのついで〜とか言ってごまかせばなんとかなる気がする。
まぁなんでもいっか。
深く考えるのも面倒なので、とりあえず本丸に行ってみようと倉庫から離れる。
本丸には、縁側から靴を脱いで入った。
A 「ゆのい様〜。ちょっとお尋ねしたいことがあるんですけどー！」
どこにゆのいがいるのかわからないので、叫びつつ歩く。
本当に静かだから自分の声がよく響く。
？？ 「……なにしにきた」
背後からボソリと呟くような声が聞こえ、足を止める。
顔だけ振り返ると、感情を押し殺すように歪んだ顔が見えた。
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藍(プロフ) - 面白いです。更新待ってます😊 (2022年12月8日 8時) (
レス) @page22 id: efa571101a (このIDを非表示/違反報告)
アラバ - とても面白いです！！応援しています！！ (2022年9月6日 14時) (レス) @page23 id: 7b928464a0 (このIDを非表示/違反報告)
まと(プロフ) - 面白いです！更新待ってます！頑張ってください！ (2019年8月9日 19時) (レス) id: 0ae277004f (このIDを非表示/違反報告)
キリンの妖精、キリンロング - 更新待ってまーす！m(_ _)m (2019年5月25日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - ゆめぴーなっつさん» 返信遅くなり大変申し訳ございません！ありがとうございます！刀剣男士だけでなく、審神者ズたちもお褒めいただき、ものっすごく嬉しいです((o(*>ω<*)o))コメント、心より感謝いたします！ (2017年7月28日 13時) (レス) id: 46a2904721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんじぇ
| 作成日時：2016年11月7日 12時
