ビビリ−８％の審神者 ページ10
私が狼狽えていると、小狐丸さんが「でも」と言って、一期さんをすり抜けて江雪さんへと視線を向けた。
小狐丸さんの視線を受けた江雪さんは元々細い目をさらに細くし、小さく眉を寄せた。
小狐丸 「一番長く被害を受けたのは江雪……、だろうな」
三日月 「言わずもがな」
江雪 「……貴方達も、同じようなものです」
一期 「いえっ、私たちは一カ月やそこらだったかもしれませんが、貴方は、貴女たちは……！」
鶴丸 「一期だって目の前でどれだけの兄弟を失ったじゃないか、無理すんなよ」
鶯丸 「そういう鶴丸はどうなんだ？ いつも俺達を庇って一か月間、一番被害を受けただろう」
もう、やめて。なにも言わないで。
その言葉は声にならず、私はただただ俯き、歯を食いしばって溢れそうな涙を我慢した。
江雪さんは、左文字派だもんね。
刀に戻ってしまうくらいの苦痛と屈辱を味わわされた、左文字派。
軟禁状態というのは一か月間だそうだが、一か月にはとどまらず、小夜さん、宗三さんとともに何カ月も耐え忍んだことだろう。
一期さんは、話を聞く限り目の前で多くの粟田口派の刀を破壊されたのだろう。
それは何故か。ただ一期さんの歪む顔が見たいだけだったのか、一期さんを助けようと勇敢に立ち向かった方を折ったのか。
そんなこと、理解したくもない。
鶴丸さんは、持ち前の明るい笑顔と性格で同じ部屋に閉じ込められた方たちを励まし、庇ったのだろう。
それは夜伽の面でも、暴力の面でも。
三日月さんはきっと、どんなときも冷静で恐ろしいくらいに穏やかだったのだろう。
そして、その変わらない対応に、前任も恐怖を感じたに違いない。
小狐丸さんは、主に対しては丁寧にしゃべるから、きっと前任を少しでも落ち着かせようと頑張ったことだろう。
いつだって丁寧に。今にも溢れ出しそうな怒りや憎しみを押し殺し、少しでも被害が少なくすむように。
鶯丸さんは、誰よりも同じ部屋にいるものを気遣っただろう。
自分の事よりも他の者が優先。そういわんばかりに、彼等を心配し、せっせと彼等の身の回りを整えたのだろう。
A 「……っ」
あれだけの会話で、こんなにも鮮明な想像ができてしまう。
これは私の想像だ。きっと、現実はもっと別だったのかもしれない。
けれど、確実にわかるのは、もっと別である現実はこれよりも酷く惨いものだということ。
だって、皆さん泣いてるじゃないですか。
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☆ - これで完結なんて、、面白かったからもうちょっと読みたかった、、非常に残念です。 (2021年1月17日 2時) (
レス) id: 0324f0d530 (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - ふと目に止まって作品を読ませていただきました！面白くて一気に読んでしまいました…まさかの4年前の作品…！審判者ちゃんが可愛くて微笑ましかったです！素敵な作品ありがとうございました！ (2020年11月7日 13時) (レス) id: 2af994e445 (このIDを非表示/違反報告)
せんり - ビビり審神者ちゃんすごく可愛かったです！ (2017年11月30日 21時) (レス) id: 85f5f22765 (このIDを非表示/違反報告)
明素華 - めちゃくちゃ面白かったぁ〜(\>v< *)ビビりも、可愛い!!刀剣男子の、出し方が上手だったぁ!! (2017年10月8日 19時) (レス) id: 66b6a0e086 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - ゆりかさん» 閲覧いだだきありがとうございます！そう言っていただけて嬉しさでいっぱいです♪推しでしたら蛍丸とまんばちゃんですね！でも加州も好きです！可愛いですよね〜！ (2017年8月26日 21時) (レス) id: 46a2904721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんじぇ
| 作成日時：2016年3月18日 19時
