ビビリ−３８%の審神者 ページ40
時計台の下、私とツジさんはなにかをしゃべるわけでもなく、ただ立っていた。
き、気まずい……。
私は小さく縮こまってうつむいた。
刀剣男士たちが演練を行っている時、審神者はおとなしくその場で待機していなければいけない。
もちろん、演練相手から離れるなんてもってのほかだ。
早く演練終わって……！！
私はいますぐにでも叫んでこの場から離れたい衝動をなんとか抑え込む。
ツジ 「……おい、お前さっき演練は初めてっつったよな？」
A 「っ！！ は、ははははいぃっ」
ツジ 「うるせぇ。ちょっとは静かにしゃべれねぇのか？」
A 「す、すいません……」
いちいち注文の多い人だ。いったい何様のつもり？
文句を言ってやりたいが、そんな度胸はお母さんのお腹においてきたので黙って従った。
ツジさんは満足したのか、今度は文句を言わなかった。
ツジ 「なんで初めてなのにアイツらのレベルがあんなに高ぇんだ？」
A 「え……？」
ツジ 「初心者がカンスト刀持ってんだって聞いてんだよ。一回で理解しろよノロマ」
A 「ご、ごごごめんなさいっ、あ、あの、私、新規じゃなくて、引き継ぎなんです」
ツジ 「引き継ぎだぁ？ んだよ、お前の刀は捨てられたのかぁ？」
A 「す、捨てられたなんてそんな……っ、む、むしろ皆さんが前任の方を切り捨てたといったほうが正しいです」
ツジ 「結局ブラックなんじゃねぇか。お前もそのうち殺られんじゃねぇのか？」
馬鹿にしたような笑い声が耳に届いたが、なにも感じなかった。
だって皆さんが私を殺すなんてこと絶対しないってわかってるから。もし私が憎いなら、コウさんと一緒に政府に引き渡されてたはずだから。
だから否定もしないし肯定もしない。答えるだけ無駄だ。
A 「……あっ、演練終わったみたいですね！」
こちらに手を振りながらこちらに歩いてくる大和守さんが見えて、笑顔をこぼした。
演練が終わったならこっちは自由だ。衝動に任せ、私は大和守さんに抱きついた。
大和守 「うわっ！ ど、どうしたの主？」
A 「こ、ここここ怖かった……」
ツジさんから離れることができて、私は思わず本音をもらした。
こうして皆さんのもとにくると安心する。ツジさん恐ろしすぎる。
私はツジさんに聞こえるか聞こえないくらいの声でお礼を告げて、小走りで人ごみの中に紛れ込んだ。
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☆ - これで完結なんて、、面白かったからもうちょっと読みたかった、、非常に残念です。 (2021年1月17日 2時) (
レス) id: 0324f0d530 (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - ふと目に止まって作品を読ませていただきました！面白くて一気に読んでしまいました…まさかの4年前の作品…！審判者ちゃんが可愛くて微笑ましかったです！素敵な作品ありがとうございました！ (2020年11月7日 13時) (レス) id: 2af994e445 (このIDを非表示/違反報告)
せんり - ビビり審神者ちゃんすごく可愛かったです！ (2017年11月30日 21時) (レス) id: 85f5f22765 (このIDを非表示/違反報告)
明素華 - めちゃくちゃ面白かったぁ〜(\>v< *)ビビりも、可愛い!!刀剣男子の、出し方が上手だったぁ!! (2017年10月8日 19時) (レス) id: 66b6a0e086 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - ゆりかさん» 閲覧いだだきありがとうございます！そう言っていただけて嬉しさでいっぱいです♪推しでしたら蛍丸とまんばちゃんですね！でも加州も好きです！可愛いですよね〜！ (2017年8月26日 21時) (レス) id: 46a2904721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんじぇ
| 作成日時：2016年3月18日 19時
