ビビリ−２６％の審神者 ページ28
獅子王 「なぁ、起きろってばー」
A 「……？」
深い眠りについたと思えば、耳元で聞こえた声に目を覚ました。ゆっくりと瞼を上げると視界に映ったのは獅子王さんだった。
獅子王さんは私が目を覚ましたのを見ると、いつものようなまぶしい笑顔を浮かべた。
獅子王 「薬研、起きたぞ！」
薬研 「お、そりゃよかった。気分はどうだ？」
薬研さんは私の顔をのぞき込んで、そう問いかける。
私は起きて間もないこともあってか、頭が鮮明になっていないので答えない。
部屋は明るく、電気が灯っている。ということはまだ夜なのだろう。
山姥切 「おい、大丈夫なのか？」
A 「え？ ……あっ、はい、大丈夫です！ すみません！」
勢いよく起き上がって答える。その瞬間、右腕に痛みが走った。
忘れてた……！！
寝ぼけていたのか、右腕を刺されていたことをすっかり忘れていた。右腕の傷口に触って、あれ？ と首をかしげる。
薬研 「手当て、遅くなってすまねぇ」
A 「あっ、い、いや、あの、すみません、ありがとうございます！！」
なんと包帯が巻いてあったのだ。いつの間に手当てをしてくれたのだろう。
といっても、私が寝ている間しか考えられなかったんだけどね。
山姥切 「起きたなら行くぞ」
蛍丸 「もうお迎えきたみたいだよ」
A 「えっ、い、行くって、どこにですか……？」
獅子王 「政府のところに決まってるだろ？」
政府。
その言葉を聞いて私は頭が真っ白になった。さも当然のことかのように告げる彼等の表情は焦っているようにも見えた。
そ、そっか。もう、コウさんに……。
焦っているのはこれ以上部外者にいてほしくないからだろう。きっと、早くコウさんとの時間を楽しみたいから。
私はフラッと立ち上がった。もうこれ以上、お世話になるわけにはいかない。
A 「……政府の方は、どちらですか？」
蛍丸 「あの人なら門で待ってるってさ」
A 「あ、ありがとうございました……」
いろんな意味を込めてお礼を告げる。今までお世話になったことと、直接言わないでくれた彼等なりの優しさに。
本当なら礼儀として一人一人に挨拶をすべきなのだろうが、そんな余裕は私にはない。たかが十八歳の心にとって、この現実は重すぎた。
せめてここにいる彼等にだけでもお礼を告げておく。そして、逃げるように部屋を飛び出した。
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☆ - これで完結なんて、、面白かったからもうちょっと読みたかった、、非常に残念です。 (2021年1月17日 2時) (
レス) id: 0324f0d530 (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - ふと目に止まって作品を読ませていただきました！面白くて一気に読んでしまいました…まさかの4年前の作品…！審判者ちゃんが可愛くて微笑ましかったです！素敵な作品ありがとうございました！ (2020年11月7日 13時) (レス) id: 2af994e445 (このIDを非表示/違反報告)
せんり - ビビり審神者ちゃんすごく可愛かったです！ (2017年11月30日 21時) (レス) id: 85f5f22765 (このIDを非表示/違反報告)
明素華 - めちゃくちゃ面白かったぁ〜(\>v< *)ビビりも、可愛い!!刀剣男子の、出し方が上手だったぁ!! (2017年10月8日 19時) (レス) id: 66b6a0e086 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - ゆりかさん» 閲覧いだだきありがとうございます！そう言っていただけて嬉しさでいっぱいです♪推しでしたら蛍丸とまんばちゃんですね！でも加州も好きです！可愛いですよね〜！ (2017年8月26日 21時) (レス) id: 46a2904721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんじぇ
| 作成日時：2016年3月18日 19時
