ビビリ−２４％の審神者 ページ26
三日月さんの言葉に、コウさんは「へぇ」とニヤリと笑みを浮かべた。
一体なにを考えているのだろうか。私には、コウさんと三日月さんの考えがさっぱりわからなかった。
笑顔のコウさんに反し、三日月さんは全くの真顔だ。鋭い眼光でコウさんを睨みつけている。
その瞳がこちらに向けられているわけではないのに、ゾクリと背中が凍り付く気がした。
不意に、腕の刺し傷に三日月さんが抱き留めてくれた手が当たった。痛みが体を走り抜け、小さく声をもらして顔を歪める。
A 「いっ……！！」
三日月 「どうした？」
A 「あっ、ああああの、ええっと、その、き、傷が……」
コウ 「え、まだ手当てしてなかったの？ てっきり薬研にやってもらったのかと思った」
A 「そっ、そそそ、そんな余裕ありませんから……！！」
薬研さんに手当てなんてしてもらうなんてこと考えたこともなかった。というか、手当てしたところで痛いことに変わりはない。
コウさんのことが片付くまで、私が休むわけにはいかない。
三日月 「怪我をしているのか？」
A 「まぁ、そう、ですね……」
刺されただなんて言ったらどうなるのかな。私は恐ろしくて誤魔化した。
さりげなく三日月さんの腕をゆるりと解いて、傷を遠ざけた。
コウ 「で、俺に話があるんでしょ？」
三日月 「あぁ。……主は、部屋に戻っていてくれないか？」
A 「え？」
三日月 「主にはいてほしくないんだ。悪いが部屋で待っていてほしい。すべて片付いたら呼びに行く」
A 「は、はい……」
私は小さくうなづいて返事をした。
私にいてほしくないってことは、聞かれたくない、見られたくないってことだよね？
私の胸の内に小さなわだかまりができたような気がした。
コウ 「ちなみに、話したいことって？」
三日月 「お前のことだ。返答によっては……考えたい」
コウ 「考える？ なにをさ」
三日月 「それを言ってしまってはお前が返答を考えるかもしれないからな」
三日月さんはそう言って背を向けて、大広間の方へ歩みを進めていった。
コウさんは私に笑顔で「ごめんね？」と告げると三日月さんの後についていった。
ごめんね。それはきっと、これからの話の結果が見えているとでもいうのかのような口ぶりだ。
私は闇に消えてゆく彼等を見届けて、不安を覚えたまま部屋に戻った。
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☆ - これで完結なんて、、面白かったからもうちょっと読みたかった、、非常に残念です。 (2021年1月17日 2時) (
レス) id: 0324f0d530 (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - ふと目に止まって作品を読ませていただきました！面白くて一気に読んでしまいました…まさかの4年前の作品…！審判者ちゃんが可愛くて微笑ましかったです！素敵な作品ありがとうございました！ (2020年11月7日 13時) (レス) id: 2af994e445 (このIDを非表示/違反報告)
せんり - ビビり審神者ちゃんすごく可愛かったです！ (2017年11月30日 21時) (レス) id: 85f5f22765 (このIDを非表示/違反報告)
明素華 - めちゃくちゃ面白かったぁ〜(\>v< *)ビビりも、可愛い!!刀剣男子の、出し方が上手だったぁ!! (2017年10月8日 19時) (レス) id: 66b6a0e086 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - ゆりかさん» 閲覧いだだきありがとうございます！そう言っていただけて嬉しさでいっぱいです♪推しでしたら蛍丸とまんばちゃんですね！でも加州も好きです！可愛いですよね〜！ (2017年8月26日 21時) (レス) id: 46a2904721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんじぇ
| 作成日時：2016年3月18日 19時
