ビビリ−２１％の審神者 ページ23
私が泣いていることに気が付いたのか、夜目の利く薬研さんが暗い廊下へ飛び出してきた。
そして、グッと伸ばした私の腕をつかみ、華奢な体に似つかわしくない力で私を勢いよく引っ張った。
私は薬研さんに手を引かれるまま、粟田口のみなさんが寝ている部屋に転がり込んだ。
一期 「どうなさいました？」
A「ぐすっ、うぅぅ……」
一期さんの優しい声と、背中をさする薬研さんの手の温かさに安心しすぎて涙が止まらない。
けれどいつまでも泣いているわけにもいかない。なんせ、前任がそこまで迫ってきているのだ。
私は以前遑さんに教えてもらった『結界』というものを使うことにした。
実はコソコソと練習していたのだ。最初こそうまく張れなかったが、ここ最近なんとかものになってきた。
結界はそこまで神気を使わないそうだ。私は安心してはることができる。
涙を拭い、私は落ち着くために深呼吸を繰り返す。それと同時に結界をはった。
薬研 「っ、大将、この傷……！！」
A 「いたっ……！」
一期 「頬にまで！ い、一体なにがあったのですか？」
薬研さんはハッとしたように刺された腕の傷に触れた。触れられただけでも痛くって、思わず声が出てしまった。
一期さんも薬研さんも、赤く染まった淡いピンクのネグリジェの腕の部分を見つめて綺麗な顔を歪めた。
どうにか誤魔化したいけれど、ここで前任が来たんだと言わない方が危険な気がする。
皆さんが怯えてしまうかもしれないけれど、無防備なままに私のように襲われたらどうする。そんなの絶対に嫌だ。
薬研 「大将……？」
A 「おおおお落ち着いて、聞いてくださいっ、あ、ああの、あの、実はっ……」
一期 「主殿から落ち着きましょうね」
A 「はっ、はい！！」
自分でも思っている以上に焦っているのかもしれない。
それはそうだ。この襖と結界の向こうには、あの狂気で満ちたコウさんがいるのだ。
怖くて不安で仕方がない。
けれど、今私が伝えなくてどうする。少しずつでもいいから、伝えなければ。
A 「あっあの、実は、前任の方が、コウさんがいらっしゃっていてっ……」
薬研 「あいつが……！？」
一期 「……っ」
途端に顔色を変えた二人。
わかっていたけれど、彼等の前任に対する恐怖や憎しみは想像以上だということがうかがえる。
改めてコウさんの恐ろしさを感じた。
ビビリ−２２％の審神者→←ビビリ−２０％の審神者(※流血表現注意)
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☆ - これで完結なんて、、面白かったからもうちょっと読みたかった、、非常に残念です。 (2021年1月17日 2時) (
レス) id: 0324f0d530 (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - ふと目に止まって作品を読ませていただきました！面白くて一気に読んでしまいました…まさかの4年前の作品…！審判者ちゃんが可愛くて微笑ましかったです！素敵な作品ありがとうございました！ (2020年11月7日 13時) (レス) id: 2af994e445 (このIDを非表示/違反報告)
せんり - ビビり審神者ちゃんすごく可愛かったです！ (2017年11月30日 21時) (レス) id: 85f5f22765 (このIDを非表示/違反報告)
明素華 - めちゃくちゃ面白かったぁ〜(\>v< *)ビビりも、可愛い!!刀剣男子の、出し方が上手だったぁ!! (2017年10月8日 19時) (レス) id: 66b6a0e086 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - ゆりかさん» 閲覧いだだきありがとうございます！そう言っていただけて嬉しさでいっぱいです♪推しでしたら蛍丸とまんばちゃんですね！でも加州も好きです！可愛いですよね〜！ (2017年8月26日 21時) (レス) id: 46a2904721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんじぇ
| 作成日時：2016年3月18日 19時
