ビビリ−２０％の審神者(※流血表現注意) ページ22
その瞬間、一つか二つ先の部屋の明かりが灯されるのがわかった。
そこだけパッと明るくなって、私は自然と笑みがこぼれた。
そして、気づいてもらえるように必死に叫ぶ。
A 「誰か、……あぁっ！！」
コウ 「あははっ、命中〜」
一瞬何が起きたのかわからなかった。右腕に鋭い痛みが走り、思わず足を止めてしまう。
そして、暗い廊下の向こうから何故か楽しそうなコウさんの声が聞こえてきた。
震える手で右腕に触れると、そこにはなんとナイフらしきものが刺さっていた。
A 「っ、いっ……！！」
刺さっている深さはわからない。けれど、とりあえず抜いた。
頭が混乱すると、どうしていいのかがわからなくなり、自分でも思ってもいない行動をしてしまう。
痛いとわかっていて、なぜナイフを抜いたのかが自分でもわからなかった。
私はナイフを抜いた時の壮絶な痛みとあふれ出てきた血を見て、我に返った。
A 「あっ、ああぁ……」
あまりの恐ろしさに腰が抜けた。カランッと音を立てて転がるナイフ。
部屋まであと少し。あと少しというところで、その場にへたり込んでしまった。
私は最近までどこにでもいるただの女子高生だった。だから、ナイフで何処かを刺されるなんてこと、経験したこともない。
本当に怖い。上手く呼吸ができなくて、息苦しくなる。
近づく足音と自分の騒がしい心臓の音が重なり、頭がぐちゃぐちゃになる。
刹那。
薬研 「――大将？」
安心するような声が耳に届いた。バッと顔をそちらに向けると、そこには部屋から顔を覗かせた薬研さんがいた。
そして、その上から一期さんもひょっこりと顔を覗かせる。
部屋の明かりが暗い廊下に差し込み、少しだけ私の気持ちが落ち着く。
早く、早くあの場所へ。そう思っているのに腰が抜けた私は立ち上がることができない。
安心できる場所がすぐそこにあるのに行けないもどかしさと、恐怖と痛みとでいっぱいになった私はボロッと涙を零した。
A 「うっ、ぐすっ、たす、助けてぇ……！」
情けない声を上げて、助けを求めるしかなかった。
すると、聞こえてきた足音がバタバタとせわしないものに変わって、コウさんが走ってきたのがわかった。
悠長に歩いている暇はないと判断したのだろう。こうなれば、あとは時間との勝負。
私は明かりへ、二人へ向かって手を伸ばした。
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☆ - これで完結なんて、、面白かったからもうちょっと読みたかった、、非常に残念です。 (2021年1月17日 2時) (
レス) id: 0324f0d530 (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - ふと目に止まって作品を読ませていただきました！面白くて一気に読んでしまいました…まさかの4年前の作品…！審判者ちゃんが可愛くて微笑ましかったです！素敵な作品ありがとうございました！ (2020年11月7日 13時) (レス) id: 2af994e445 (このIDを非表示/違反報告)
せんり - ビビり審神者ちゃんすごく可愛かったです！ (2017年11月30日 21時) (レス) id: 85f5f22765 (このIDを非表示/違反報告)
明素華 - めちゃくちゃ面白かったぁ〜(\>v< *)ビビりも、可愛い!!刀剣男子の、出し方が上手だったぁ!! (2017年10月8日 19時) (レス) id: 66b6a0e086 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - ゆりかさん» 閲覧いだだきありがとうございます！そう言っていただけて嬉しさでいっぱいです♪推しでしたら蛍丸とまんばちゃんですね！でも加州も好きです！可愛いですよね〜！ (2017年8月26日 21時) (レス) id: 46a2904721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんじぇ
| 作成日時：2016年3月18日 19時
