乗っ取りなんて：３６ (※未成年の飲酒ﾀﾞﾒ！) ページ36
夕食を終え、お風呂にも入り終わった。
時計の時刻は午前二時。……うん、花見酒にはいい時刻かな。
午前二時なんて皆が寝静まり返る時間。ましてや出陣で疲れている刀剣男士たちだ、寝ていないはずがない。
明かり一つない真っ暗な廊下を忍び足で歩く。
昼より夜が好きなボクは、好きなりに夜目もきく。別になにも困ることはない。
そして、台所へ着いたボクは、今日タリアテッレを作った時に覚えたお酒の棚を開いた。
んー……。まぁ、無難に日本酒でいいかな。ストレートで飲むならやっぱり日本酒だよねぇ。
とりあえず瓶ごと持って行くことにして、適当にグラスを選ぶ。あまりこだわりはないからなんでもいい。
よし、それじゃあ早速屋根の上に行きますかねー。
ボクは梯子を使い、屋根の上にあがった。瓶とグラスは部屋にあった袋に入れて手に提げて持って行った。
A 「おぉ……」
思わぬ光景にため息がもれる。
天に浮かぶは美しい満月。柔らかい月の光が桜を見守っていた。
そして桜は風に揺られて花びらをチラチラと舞い上げる。
なんて綺麗で幻想的。ボクは久々に目を見張る光景を見たような気がした。
しばらく見惚れた後、座ってグラスに日本酒を注ぐ。
A 「っ……。あー……」
グラスの中の日本酒を一口で飲み干し、小さく声をもらした。
さすがストレート。すぐに体が熱くなってくる。
まぁ、ボクは酒には強いほうだからこれくらいじゃ酔ったりしないけどね。
A 「……ははっ」
じっと風に揺れる桜を見ていると、笑い声がこぼれた。
夜桜ってこんなに綺麗だったんだなぁ。なんで今まで気づかなかったんだろ。
なにか色々と損をしていた気分になった。自分の本丸に帰ったら景趣を春にして、こうやって夜桜を見ようっと。
と、ここまで考えてため息を零す。
……ブラックだという可能性があるだけで、決まったわけじゃない。
ボクは前々から考えていたことを今一度頭に浮かべる。
そう。まだボクの本丸がゆのいによってブラック本丸になったとは限らない。そんな事実はどこにもないんだから。
ボクがずっと思い込んでいただけかもしれない。ブラックになってしまうだろうと決めつけていただけかもしれない。
……今頃みんなはボクの存在なんか忘れて楽しい日々を過ごしているかもしれない。
そう、それが一番なんだ。
でも、でももしそうだったのなら……。
――ボクはどうしたらいい？
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らんじぇ(プロフ) - マリンさん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！ホントですかっ！？そのように言っていただけて嬉しい限りです♪続編希望も感謝です〜！ (2016年11月6日 21時) (
レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - 希依さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！労いのお言葉も心に沁みます……(*^_^*)続編希望もうれしいです！ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - ☆☆さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！続編希望感謝です〜♪♪ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - 黒猫さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！続編キボンヌ、嬉しいです〜！！ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - あまぽーさん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！なんとかここまで書ききれました……(^^ゞ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんじぇ
| 作成日時：2016年1月5日 21時
