乗っ取りなんて：２９ ページ29
遑 「えっ……。見つかったんですか？」
ボクが息を切らしながら告げると、政府本部に受付にいた遑さんが少しだけ目を見開いた。
しかし、遑さんは無表情が噂の役人さん。その表情の違いはとある理由から、ボクだけがわかるだろう。
遑さんは審神者育成係に務めていて、新人審神者の教育や見習い派遣の総管理している。
そんな遑さんは、ボクが本丸探しを始めた頃からお世話になって、今ではほぼ遑さんが対応してくれる。
まぁ、今はそんなことはどうでもいい。
A 「そうなんですよー。なんでもボクが以前お世話になった本丸の審神者様が目撃してくださったそうなんです」
ボクはカウンターに手をつき、身を乗り上げるようにして話す。
お世話になった本丸の審神者様。それは、先ほどあった夜光様のことだ。
夜光様がなにを目撃してくれたのか。ボクは、あの時の会話を思い出した。
夜光 『あ、A。ちょっとだけ、いいか？』
あの時、別れを告げて立ち去ろうとしたボクを夜光様が呼び止めた。
ボクはいつもみたいに、おどけた様子で「なんですか〜？」と問いかけた。
夜光 『なぁ、たしかAの本丸を乗っ取った奴の名前って、「ゆのい」だったよな？』
A 『……っ、はい、それがどうかしましたか〜？』
ゆのい。
それは間違いなく、彼女の名前だ。
突然その名前を出され、ボクは目に見える形で狼狽えそうになる。けれど、すぐにお得意の笑顔を浮かべる。
夜光 『たしか、長い黒髪に青のカラコンしてるんだよな？ そんで、上品な見た目からは想像もつかないような猫なで声』
A 『よく覚えてますねぇ』
夜光 『そりゃ、あそこまで衝撃的なこと言われたんだから覚えるだろ』
A 『あー、ボク夜光様には全部言いましたもんね』
夜光 『そうそう。んで、話戻すけど、今日の演練相手、多分そいつがいたわ』
A 『……は？』
夜光 『前言われた特徴にピッタリ当てはまるし、妙に刀剣男士が怯えてたような気がしたんだ』
A 『怯えて、ですか』
夜光 『本丸ナンバーもおさえといた。はいこれ、手書きで悪いけど』
そう言ってわたされた紙には、妙に懐かしく感じる本丸ナンバーが書かれていた。
ギュッとその紙を握りしめ、ボクはいくら感謝を伝えても伝えきれないだろう感謝の気持ちを込めてお礼を言った。
夜光様に頭を下げて、沫雪様のもとへと戻っていった。
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らんじぇ(プロフ) - マリンさん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！ホントですかっ！？そのように言っていただけて嬉しい限りです♪続編希望も感謝です〜！ (2016年11月6日 21時) (
レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - 希依さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！労いのお言葉も心に沁みます……(*^_^*)続編希望もうれしいです！ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - ☆☆さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！続編希望感謝です〜♪♪ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - 黒猫さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！続編キボンヌ、嬉しいです〜！！ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - あまぽーさん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！なんとかここまで書ききれました……(^^ゞ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんじぇ
| 作成日時：2016年1月5日 21時
