乗っ取りなんて：２１ ページ21
一期 「おや、どうかなさいましたか？」
長谷部 「ここに見習いがこなかったか？」
一期 「いえ、きてませんが？」
長谷部 「そうか、邪魔したな」
一期 「いえいえ」
一期一振の穏やかな声とへし切り長谷部が襖を閉める音が聞こえ、ボクは安堵のため息をついた。
そして、暗くて埃っぽい場所から出たくて、目の前の襖を開いた。
A 「ふーっ、行きましたねぇ」
秋田 「突然押し入れに入るんですもん、びっくりしましたっ！」
乱 「なんていうか、見習いさんって次の行動が読めないよね〜」
そう、ボクはとっさに押し入れの中に飛び込んだ。
へし切り長谷部に見つかるくらいなら、押し入れくらい普通に入れる。
A 「一期一振様、ありがとーございましたぁ」
一期 「いえ、お役に立てたのならばなによりです」
薬研 「……なぁ、一つだけ聞いてもいいか？」
A 「ボクに答えられる範囲でしたら〜」
薬研藤四郎が顎に手を当て、首をかしげていた。
なにをそんなに悩むことがいのだろうか。ボク、そんな変な行動したかなぁ？
ボクも、ニコニコと首をかしげてやった。
薬研 「なんで見習いは俺っち達のことを愛称で呼んだりしねぇんだ？」
後藤 「あー、それ俺も気になってた」
A 「薬研藤四郎様をなぜ薬研、と呼ばないかということですか？」
前田 「そういうことですね」
ボクは「なるほど〜」とヘラヘラ笑った。
別に愛称で呼べないわけでもないし、呼ばないわけでもない。
A 「呼びたくないんですよ〜」
平野 「呼びたくない、ですか？」
A 「ボクが愛称で呼びたいのは、ボクの本丸の子たちだけなんで〜」
薬研藤四郎のことを薬研と呼ぶのも、一期一振のことをいち兄と呼ぶのも。
みんな、ボクの本丸の子しか呼びたくない。
敬語も様付けも、それをしないのはボクの本丸の子だけ。
A 「愛称で呼ぶのは、ボクがお世話になってきた彼等だけなんですよね」
厚 「へぇ……。なんか、カッコいいな」
A 「やめてくださいよ〜、照れます」
特別な思いを込めて呼ぶのは、この本丸の刀剣男士じゃない。
あくまでも、ボクの本丸の子たちだけ。
だから、ボクは自分の本丸が見つかるまではフルネームで呼ぶし、敬語もやめないし、様付けもやめない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 740人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らんじぇ(プロフ) - マリンさん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！ホントですかっ！？そのように言っていただけて嬉しい限りです♪続編希望も感謝です〜！ (2016年11月6日 21時) (
レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - 希依さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！労いのお言葉も心に沁みます……(*^_^*)続編希望もうれしいです！ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - ☆☆さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！続編希望感謝です〜♪♪ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - 黒猫さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！続編キボンヌ、嬉しいです〜！！ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - あまぽーさん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！なんとかここまで書ききれました……(^^ゞ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らんじぇ
| 作成日時：2016年1月5日 21時
