乗っ取りなんて：１５ ページ15
やった、近侍だ！
そう言って喜んでくれたのは、誰だったかな。
手入れされるの、好きだなぁ。
そう言って微笑まれたのは、いつだったかな。
触らないでくれ。
そう言って拒絶されたのは、いつからだったかな。
ゆいさんのほうがいいよね。
そう言って突き放したのは……。
あぁ嫌だ嫌だ。
なにも思い出したくない。なにも、なにも……。
いつまでたっても色褪せないのならば、塗りつぶせばいい。
クレヨンで、黒く黒く、真っ黒に。
もう誰の顔も見えない。なんの感情もない。
そうすれば、きっとなにも感じる必要もない。こんなに苦しむ必要もない。
そこにあるのは、きっと。
――空虚な孤独だから。
A 「っは……！！」
一期 「あぁ、起きられましたか。大丈夫ですか？」
A 「……一期一振様？」
どうせ誰もボクに用はない。だから、まだ十時だけども眠りについた。
そしたら、最悪な夢を見た。
気分が悪いまま、目覚めると一期一振がいた。
……なんでここに？
一期 「勝手に部屋に入ってしまい、すみません」
A 「いえ、お気になさらずー」
一期 「酷くうなされていたようですから……。大丈夫ですか？」
A 「心配、ありがとうございます」
一期 「あ、あと、少し謝罪を……」
謝罪？ 彼はボクになにかしたかな？
記憶をたどってみるけれど、心当たりがない。
首をかしげた。
一期 「主殿からすべて聞きました」
A 「あ、あぁ、そのことですか」
一期 「辛いことを思い出させるようなことをしつこく尋ねてしまい、本当に申し訳ございません」
A 「そのことだったら、別に……」
一期 「すぐに答えない時点で、聞いていいことと悪いことがあると気付くべきだったのです。どう謝罪を申し上げればよいのか……」
A 「いえいえ、もういいですよー」
この本丸の一期一振は丁寧っていうか、律儀というか……。
ボクの本丸の一期一振は……。
もう、忘れた。
A 「……ボクのような怪しい者を疑い、詮索するのは仕方がないことです」
一期 「ですが……」
A 「わかります。突然得体のしれないものが者が現れたら混乱しますよね、冷静になってられませんよね」
なんでもいいから、情報を得たいものだもんね。
わかるよ。
だって情報不足ならばいざとなったときに対応できない。
ボクみたいにね。
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らんじぇ(プロフ) - マリンさん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！ホントですかっ！？そのように言っていただけて嬉しい限りです♪続編希望も感謝です〜！ (2016年11月6日 21時) (
レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - 希依さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！労いのお言葉も心に沁みます……(*^_^*)続編希望もうれしいです！ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - ☆☆さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！続編希望感謝です〜♪♪ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - 黒猫さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！続編キボンヌ、嬉しいです〜！！ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - あまぽーさん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！なんとかここまで書ききれました……(^^ゞ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんじぇ
| 作成日時：2016年1月5日 21時
