乗っ取りなんて：１３ ページ13
A 「この本丸はボクの本丸ではない。つまり、間違いなので乗っ取る気はないんです」
それに、この本丸は元ブラック本丸。
たとえボクに特別な事情がなくても、こんな危険な場所を乗っ取ろうだなんて考えられない。
沫雪 「……なるほど」
A 「はい。なので、ボクはあと一週間後にはこの本丸から去りますねー」
沫雪 「次の『ゆい』さんの本丸に行くの？」
A 「はい。まぁ、このことは刀剣男士には教えなくてもいいことですよ」
沫雪 「なんで？」
A 「夜中に抜け出すので、朝になったらいなくなってますから」
どうせボクがいなくなっても誰も困らない。
それに、夜中に政府に帰って朝には次の本丸にいるというのが、今までの流れだから。
少しの時間でももどかしいくらいだ。
A 「この話、もし刀剣男士たちが聞きに来たら、適当に教えてやってください」
沫雪 「……いいの？」
A 「いいですよー。あっ、間違っても真名を言ってしまわないように」
沫雪 「あっ！！ そ、そういえば、この話外に丸聞こえじゃない！？」
A 「防音効果のある結界はってますので大丈夫ですよ〜」
真名を知られないように、ボクはちゃんと対策はしていた。
ボクは立ち上がり、ペコッと頭をさげた。
A 「それじゃ、失礼します」
沫雪 「あ、うん」
襖に手をかけると同時に結界を解いた。
その瞬間に襲い来る疲労感と重力。ぐっと体を上から押さえつけられているような感覚に陥る。
A 「っ……」
沫雪 「どうしたの？」
A 「はい？ どうもしてませんよ〜。失礼しました」
それでも、ボクは何事もなかったように振る舞う。
身体が重く、フラフラとしそうになる。
結界は普通、手入れの十倍の神気が必要になる。
しかし、それが特殊能力を持った結界となれば、普通の結界の三十倍の神気が必要になる。
簡単に言えば、普通の結界で本丸全体を一日中包み続けるくらいの神気量と疲労感が不可欠ということ。
さすがのボクだって、普通の結界をはり、立て続けに防音効果のある結界をはったのならば、尋常じゃないくらい疲れる。
A 「……っ」
込み上げる吐き気に、ボクは口を押えた。
壁に手をつきながら、フラフラとトイレに足を向けた。
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らんじぇ(プロフ) - マリンさん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！ホントですかっ！？そのように言っていただけて嬉しい限りです♪続編希望も感謝です〜！ (2016年11月6日 21時) (
レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - 希依さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！労いのお言葉も心に沁みます……(*^_^*)続編希望もうれしいです！ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - ☆☆さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！続編希望感謝です〜♪♪ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - 黒猫さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！続編キボンヌ、嬉しいです〜！！ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - あまぽーさん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！なんとかここまで書ききれました……(^^ゞ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんじぇ
| 作成日時：2016年1月5日 21時
