乗っ取りなんて：１２ ページ12
A 「ボクはひたすら自分の本丸を探しているだけです」
沫雪 「え？ 自分の本丸を、探している……？」
ボクは頷き、乗っ取りを始めた拠点となる政府との会話を思い出した。
……たしか。
A 「ボクは政府に、乗っ取りじゃなくて自分の本丸に戻りたいって言ったんです」
沫雪 「……裏切られたのに？」
A 「乗っ取りするような見習いですよ？ ブラック本丸化するに決まってます」
沫雪 「やっぱり、嫌だよね？」
A 「当たり前です。乗っ取られたのは私の実力不足ですし、刀剣男士たちは家族のようなものなので」
そう、刀剣男士たちに罪はない。
だからボクは皆が傷つく前に自分の本丸に戻りたかった。
A 「……まぁ、その本丸がどこにあるのかわからなかったので、戻れなかったんですがね」
沫雪 「わからない？ え、自分のいた場所でしょ？」
A 「裏切られたショックでボクの精神が崩壊してしまう前に、脳が無意識に本丸のことを忘れようとしていたみたいで」
沫雪 「え、えっと、それで場所すら忘れたってこと？」
A 「場所というよりか、本丸ナンバーを忘れてしまって」
本丸ナンバーとは、数多くある本丸を政府が四桁の数字して管理する、審神者のみに通達される番号のこと。
もちろんボクも審神者だったから、自分の本丸のナンバーを知っていた。
けれど、自分の身を守ろうとするあまり、忘れてしまった。
沫雪 「そ、それって大変なことじゃないの……！？」
A 「そうなんですよー。見習いを本丸に派遣するには、審神者の真名とその本丸ナンバーが必要になってくるんですけど、本丸ナンバーがわからないので派遣することができないんですね」
沫雪 「じゃあ、その本丸が見つかるまで手あたり次第見習いに行くの？」
A 「いいえ。乗っ取った見習いと同じ真名の審神者の本丸に見習いに行っています」
沫雪 「……それ、俺と同じってこと？」
A 「はい、沫雪様と同じ、『ゆい』という真名の審神者の本丸です」
沫雪様や乗っ取った見習いの真名は「ゆい」。
突然真名を言われた沫雪様は驚いたように、目を見開いた。
A 「ちなみに、『ゆい』という真名をもつ審神者は百を超えます。ここは、三十二件です」
沫雪 「さ、三十二！？」
沫雪様の声が裏返った。
百中の三十二だよ？ そんなに驚くことじゃない。
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らんじぇ(プロフ) - マリンさん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！ホントですかっ！？そのように言っていただけて嬉しい限りです♪続編希望も感謝です〜！ (2016年11月6日 21時) (
レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - 希依さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！労いのお言葉も心に沁みます……(*^_^*)続編希望もうれしいです！ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - ☆☆さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！続編希望感謝です〜♪♪ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - 黒猫さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！続編キボンヌ、嬉しいです〜！！ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - あまぽーさん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございました！なんとかここまで書ききれました……(^^ゞ (2016年11月6日 21時) (レス) id: b92fd18dd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんじぇ
| 作成日時：2016年1月5日 21時
