侍ショートの箱入り娘。にっ！ (ページ2)

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私の病気。ページ2

Asin

あ［お、お父さん．．．］

お父さんが神妙な顔つきで帰ってきた。

なに？私．．．なんか悪い病気でもなっちゃった？

稲葉［A。心して聞けよ。お前は．．．。］

お前は、の跡が聞けなかった。いや、私の体が拒んだ。

あ［いや！私、悪い病気なんでしょ！？聞きたくない．．．］

稲葉［A！聞け！これはお前のためでもあるんだぞっ！］

しん。病棟の中が静まり返り、看護師さんの歩く音しか聞こえない。

あ［わ、かった．．．］

稲葉［うん。お前は、記憶障害だ。］

記憶障害。お父さんの言葉が脳内再生される。

記憶障害．．．？私は、いつ記憶をなくしたんだろうか。

稲葉［高校。甲子園の帰りに．．．事故にあった。それで記憶をなくしてしまったらしい。］

そっか。私、あの事故で記憶をなくしてしまったんだ。

もう、あの人たちに会えないのかな。侍ショート候補の皆様に。

稲葉［でも幸い、高校だ。だから．．．［お父さんはさ。高校の時の記憶をなくせって言うの？］

高校の時の記憶はなくしたくない。なくせば．．．あの人に会えない。

稲葉［違っ！俺は．．．［私は無理よ。どうしても。なくせないよ。］

私は、お父さんに初めて反抗した。

あ［もう無理だよ。会えないんだから。私はもう．．．。］

稲葉［お前の力が必要なんだ！お願いだ、続けてくれ。］

涙を流して懇願するお父さんを私は優しく撫でた。

あ［お父さんも、こんなこと言わないでよね。無くしていい記憶なんてない。そうなんだから。］

稲葉［A．．．。］

あ［ちょっと、頑張ってみる。］

こんな実の父をみたら、頑張るほかないじゃないか。

頑張らなくては。私の父のためにも。