Ep1 ページ2
………ここは、どこだろう。
見慣れない部屋。
見慣れない景色。
………広い部屋だな。
微かに歌声が聴こえてくる。
心地よい低音の歌声。
でもどこか寂しそう。
あなたは誰？
チュン チュン チュン
「ーーーーー…んっ」
「っ！？！？」
ガバッ！！！！！！
「今何時！？！？」
「やばい、やばい、やばい」
…髪 よしっ！
…服 あぁ！これでいいやっ！！
…顔 顔だけ洗っておくか！後は眉毛だけ描けばなんとかなる！
「…間に合うかなー、いやっ間に合わないとっ！！」
歩幅を合わせてるかのように行き交う人々。
いつもの朝。いつもの様子。まさかそれがあの日を境にあんなことになるなんて…
「っしゃー！ギリギリセーフ！」
サヨ「いや、ギリギリすぎでしょ。」
「間に合ってるから！いーのっ！」
サヨ「あんたの、その間に合ってるから大丈夫精神は何なのよ」
「いーのいーの」
サヨは高校からの付き合いで、私のどうしようもなくダメなところ沢山見て来てる。心から気を許すことのできる友人でもある。
っっぐい！！！
「いっいたいでふ」
サヨ「あんた。また化粧してないでしょ。」
「……。いっいや？今日はしてきたよ？」
サヨ「私に嘘が通じるとでも思った？顔にでんのよ。顔に」
「バレたか…」
サヨ「また、私に言われたいの？女子力皆無って」
訂正。やっぱり友人(鬼)かもしれない。
「すみません。許してください。」
サヨ「ったく！来なさい！」
「ひぇ〜お助け〜」
…。5分後
サヨ「本当はもっと色々ぬりたいけど。我慢する」
(何だかんだでいつもやってくれるんだよな〜)
「もう天才。奇才。八宝菜。」
サヨ「刺すわよ？あんたは元が並外れていいんだから。生かしなさいよ！その顔を！」
「何を言うかと思えば…。」
お互いギャーギャー言いながら、デスクについた。
ショータロウ「まーた叱られてるし」
「叱られてないし！ちょーっとだけ雷が落ちたの！」
この人はショータロウ。大学からの友人で頭も良く、高校から続けていたサッカーをケガで引退してから、別の形で選手達を支えたいと、この会社に入った。らしい。
爽やかで高身長おまけに顔もいい。聞いたところによると、先輩や、後輩からすごくモテている。らしい。
まあ、どーでもいいけど。
ショータロウ「また意識飛んでるぞ」
はっ！？
「さて、仕事仕事。」
…カタカタカタ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名無し63636号 | 作成日時：2024年3月10日 20時
