兄妹ごっこ(赤) (ページ1)

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お隣さんページ1

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私が小学生の頃、いきなり隣に家ができることになった。

私の家と近くて私の部屋から隣の部屋まで

ベランダから行けてしまう距離。

その頃私はちょうどお兄ちゃんが欲しくて

お母さんにわがままを言っては困らせていた。

「お兄ちゃんが欲しい！どうして私にはいないの？」

「お母さんはお兄ちゃんを産むことはできないのよ。でもね、お隣に今度男の子が引っ越してくるのよ」

「男の子？その子私より年上？」

「ええ、3年生よ。」

その時私はどんな子だろうと思うよりも先にお兄ちゃんができた！とすぐに嬉しくなってしまった。

「私にもお兄ちゃんできる！？」

「Aがその子と仲良くなれたらね」

その日から私はどうやって仲良くなろうと一生懸命考えた。

そして、ついにお隣さんがうちに挨拶をしにきた。

「こんにちは、Aちゃん。隣に引っ越してきた渋谷です。ほら、すばるも挨拶するんやで」

「渋谷すばるです。大阪から来ました」

ブスッとしていかにも面倒くさそうに挨拶をするすばるくんに私は笑顔で言った。

「ねぇ、すばるくん！私のお兄ちゃんになってくれる？」

ぽかーんとするすばるくん。

「お前変やなぁ。でもめっちゃおもろいな。ええで、気に入った。お兄ちゃんになったるわ」

こうして私たちは兄妹になった。

正確には"兄妹ごっこ"を続けている。

今はもう、別に兄妹じゃなくてもいいの。

でも、兄妹でいなくちゃいけない。

お兄ちゃんにも隠している秘密があるから。

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