悪ガキ詐欺師に御注意を。【d!】 (ページ6)

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五話ですよ。ページ6

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「……お前らなにしよん？」

不意に上の方から聞こえてきた少し舌っ足らずな声。
その声によって、先程まで騒いでいたのが嘘のように静かになる。
私とチーノ二人共同時に動きを止め、顔を見合ってから声のする方へ視線を向ける。

「随分仲良さそうやなぁ」

そこには、クリーパーカーを着た男の人が一人、塔屋の上に乗っかっていた。
フードを深く被っており、あまり顔は良く見えない。
チーノと二人でポカンとしていると、塔屋から不意に飛び降りてこちらに近付いてくる。

「ぞ、ゾムさんやないですか」

「よおチーノ、俺が昼飯誘ったのにそれ断って女と飯食っとんのか」

「ちゃ、ちゃうんすよコレは……ちゃうんすよ」

チーノの口振りからして知り合いか。
ゾムさん？って人は見た事ないから多分二年生かな。
私人の顔覚えんの苦手だからもしかしたらすれ違ったりしてたかもだけど。

ゾム、と呼ばれたその男の子は、眠そうに欠伸をしながら
私を足の先から頭の先までじっくりと見つめてくる。
おっなんだやるか？？？

「……この女そんな可愛くもないやん」

「ちょっ、ゾムさん」

『は？？』

「……あ？？」

聞き捨てならないその言葉に反応してドスの効いた声が出る。
そしてまたそれに反応したゾムとやらが私に近付いて鋭く睨む。
この学校はなんで年上に対して失礼な男しか居ないのだろうか。永遠の謎だ。

『なんや生意気な奴やな。腹立つわ』

「俺はホンマの事言ってるだけやけど」

『はーー、つっかえ』

「…………ギスギスやなぁ、俺の生意気後輩ポジ取られたらどうしよ」