悪ガキ詐欺師に御注意を。【d!】 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:9 hit、合計:19,801 hit

一話らしい。ページ2

△

本日も晴天なり。

この真っ青に染まっている空を見て、天気が良い、と言わない人間は居ないだろう。
なんと今日は降水率5%。雨が降る可能性はほぼ無に等しいらしい。
これを聞いて世の主婦はどれだけ喜んだのだろう。

ちなみに私の母はフラダンスを踊っていた。
いい精神病院をオススメしといたから多分頭の方は大丈夫だと思う。

「あ！！センパイおはようございます！！！」

万が一の時の為に他の精神病院も探しとくか、なんて思いながら
スマホを弄っていた所、ちょっと後ろの方から元気な声が聞こえてくる。
振り返る気は無い。私は精神病院を探すのに今忙しいのだから。

「無視ですかセンパイ！！もういいもんスマホ取り上げちゃうもんね！！」

白尾病院、という良さそうな精神病院を見つけたと同時に、
ヒョイっと私のスマホちゃんを取り上げられる。
私達は切り離される運命なのか。……もういいかな。

何処からか「見捨てんなよ！！」なんて言うスマホちゃんの声が聞こえてくる。
くそ、そんな事言われたら見捨てるにも見捨てられないじゃないか。(棒)

「へっへー、センパイここ届かんやろー？最近背縮んだもんなー？」

『……』

「あっ、図星？図星ですか～？」

腕を高く上に伸ばし私のスマホをゆらゆらと揺らすこの男。
私の後輩のチーノ……と言うのだが、後輩のくせに超生意気。
もはや後輩と呼んで良いのか分からない後輩である。

『ぴーくん見習えよなお前』

「遠回しにロリコンになれと？」

『そうは言ってない』

そんな言い合いをするのも面倒臭くなった私がチーノに腹パンをかまし、
それと同時に宙を舞うスマホを華麗にキャッチする。
腹を抱えて蹲るチーノを横目に、もう一度学校へと足を進めた。

「……ゴリラかよ……」

そう呟くチーノを蹴ってから。